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原発事故で苦肉の策…イノシシ革製品が人気

イノシシの皮で作られた革製品

 伊達市農林業振興公社(福島県伊達市)が手掛けるイノシシの革製品の加工・販売が軌道に乗りつつある。ブランド名は「ino DATE(イーノ・ダテ)」。キーホルダーなど一部製品は生産が追い付かないという。東京電力福島第1原発事故で食肉を扱う計画が頓挫。苦肉の策ともいえる革製品に、担当者は「復興に結び付けたい」と期待する。
 製品はキーホルダー(税込み600円)をはじめ、ネームホルダー(3500円)パスケース(3000円)巾着型お守り(600円)など。今秋には幼児用の靴を売り出す。
 いずれも地元猟友会が捕獲したイノシシの皮を使う。東京都の専門業者に送り、なめして返送してもらう。最終的には伊達市霊山町の作業場で、地元のパート女性たちが製品に仕上げる。なめす前と後で放射性物質の検査をし、安全性を確認している。
 公社設立は2012年3月。東日本大震災前の計画段階では、イノシシの食肉加工と販売を手掛ける方針だったが、原発事故でできなくなった。
 公社は設立半年後、革製品を事業の柱にすることを決定。地元の観光関係者らによる販売に向けた勉強会などを繰り返し、昨年3月に試作品の発売にこぎ着けた。本格販売は昨年7月からで、現在は指導役の専門職員と14人のパート女性らが生産に関わる。
 ホームページや市内外の観光施設を通じた売れ行きはまずまず。本年度の売り上げ目標は340万円で、4〜7月の実績は約100万円。ただ、なめし業者や猟師への報酬といったコスト面の課題もあり、継続できる事業規模を模索している。
 原発事故による出荷制限などで、イノシシは増えて農業被害が深刻化。事故後の捕獲数は伊達市内だけで年間1000〜1300頭に上るという。
 「イノシシの皮は摩擦に強く、手触りは滑らか」とアピールする梅津善幸事務局長。「特産品に育てて販路を広げたい」と話す。


2016年08月25日木曜日


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