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<夜空と街に輝く大輪>青色開発 常に驚きを

青色の花火製造に取り組む大仙市の花火業者「和火屋」の工場で、花火玉の成型作業に当たる従業員

◎大曲の花火開催90回を前に(下)新たな創造

 大曲の花火(全国花火競技大会)が開かれる秋田県大仙市は「創造花火」発祥の地だ。創造花火はハートや魚といった図形やアルファベットなどの文字を表現するもので、1964年に始まった。既存の花火とは違う、見た人に驚きと感動を与える表現の全てが創造花火と言ってもいい。
 60年代に入り、丸い形の花火は観客に飽きられ、全国的に花火大会の客足は落ち込んだ。苦境を打開しようと、創造花火は当時の大会実行委員長や花火業者の協力を得て始まり、大曲の花火に欠かせないものとなった。27日開催の第90回大会でも、最新の創造花火が観客を魅了するだろう。

 そうした花火の先進地に近年、新たな目標ができた。濃い青色の花火の開発だ。
 花火で青色を表現するのは難しい。明るすぎると白っぽくなり、色の深みを狙うと暗くて見えづらくなってしまう。
 大曲の花火協同組合の久米川正行理事長(74)は「濃い青色の花火があれば、大海を泳ぐ魚を表現できるなど創造花火の可能性はさらに広がる」と期待する。
 大仙市と大曲の花火協同組合加盟の花火業者が取り組む濃い青色の花火の開発は、足利工業大(栃木県足利市)の煙火(花火)学専修研究室の協力を得て大詰めを迎えている。来年4月に大仙市である第16回国際花火シンポジウムでお披露目できそうだという。

 花火を巡る新たな動きは生産体制の面でもみられる。昨年、大曲商工会議所が中心となって設立した「花火創造企業」は、4号(4寸、約12センチ)以下の比較的小さな花火玉を専門に製造する。2017年4月にも本格操業を開始し、大仙市内の花火業者をはじめ国内外の業者に販売する。
 同社の最上谷友宏さん(44)は「小さな花火玉の大半は、中国からの輸入に頼っている。安全な花火玉を供給し国内産の比率を高めることで、創造的な花火に力を注いでもらえるように支えたい」と話す。
 日本政策投資銀行東北支店が東北の花火産業を調査し7月に公表したリポート「花火産業の成長戦略」は、「花火大会は夏に集中するが、開催件数を増やせば交流人口拡大に結び付く」と指摘した。
 大仙市では毎月、花火大会が開かれている。だが、春や秋の大規模な大会は始まったばかりで、知名度は高くない。
 大曲の花火の実行委員長を務める佐々木繁治大曲商議所会頭(70)は「春や秋の大会も、全国から大仙を訪れてもらえるものに育てていきたい」と意気込む。

[青色の花火]かつては「花緑青(はなろくしょう)」という化合物で表現できたが、毒性が強いため、現在は使用禁止となっている。春の桜を表現するため、白に近い桃色の花火の開発も進んでいる。
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 秋田県大仙市の「大曲の花火」(全国花火競技大会、大曲商工会議所・大仙市主催)が27日、第90回の節目を迎える。106年前に始まった大会は、今や日本三大花火大会の一つに数えられるまでになった。国内外から70万人以上が訪れる本番を前に、大曲の花火を核に「花火の街」づくりを目指す取り組みと、これまでの歩みの一端を紹介する。(横手支局・目黒光彦)


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2016年08月26日金曜日


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