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<電磁過敏症>日本人の3.0〜4.6%に症状

北條祥子尚絅学院大名誉教授

 北條祥子尚絅学院大名誉教授(環境医学)が代表を務める早稲田大応用脳科学研究所の研究グループが、電磁波にさらされると頭痛や皮膚症状などが起こる「電磁過敏症」について、日本人の3.0〜4.6%が症状を訴えているとの研究結果をまとめた。調査を今後も続け、診断基準や治療法の開発につなげたい考えだ。

 国際学術雑誌「バイオエレクトロマグネティックス」の最新号に論文が掲載された。英国では、2万人を対象にした調査で人口の4%に電磁過敏症の症状が見られるとの報告があり、日本人も同様の高率で症状を示す人がいる可能性が出てきた。
 実態調査は12〜15年、北條名誉教授らが開発した問診票を32都道府県の一般市民2000人と、電磁過敏症を自己申告している自助組織メンバー157人に送付して実施。症状の有無や電磁波を出す家電製品などとの関連を尋ね、それぞれ1306人、127人から有効回答を得た。
 研究グループは、「電磁波の発生源とその症状を二つ以上記述している」といった暫定基準を設定し、超えた人を「自己申告患者」と同等の症状を訴えていると判定。一般市民のうち60人が基準を超過した。
 60人が訴えた症状は、鬱(うつ)や集中力の欠如などの神経症状が最も多かった。吹き出物や腫れ、赤みといった皮膚症状、頭痛、筋肉・関節症状が続いた。
 症状と電磁波を出す機器などとの関連に関しては、自助組織の回答者127人のうち76人(複数回答)が家電製品を一番に挙げた。次いで携帯電話(74人)、パソコン(53人)、携帯電話基地局(39人)、テレビ(24人)、蛍光灯(23人)、送電線(16人)、電子レンジ(15人)、ラジオ・テレビ塔(7人)の順だった。
 自助組織メンバーはアレルギー疾患の既往率が65%と高く、その80%以上がシックハウス症候群や化学物質過敏症を併発していた。
 電磁過敏症は発症の仕組みがよく分かっておらず、診断基準も定まっていない。北條名誉教授は「電化製品のあふれた現代では誰がいつ発症してもおかしくない。アレルギーのように患者が急増しないうちに何らかの予防策を提案できるよう、さらに調査を進める」と話す。

 


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2016年08月28日日曜日


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