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<花岡事件71年>歴史認識や和解考える

中国人殉難者供養塔を見学する研究会の参加者

 1945年6月、秋田県花岡町(現大館市)の花岡鉱山周辺で強制労働に従事させられた中国人が一斉に蜂起した花岡事件を題材に、日中の教育学研究者や教員志望の学生が歴史認識や和解の在り方を考える勉強会が先日、2日間にわたり、大館市であった。学生らは現場を視察して意見交換し、自国の中学校で教えるとの設定で模擬授業の内容を考えた。
 岩手大、秋田大、弘前大、東北大、広島大の5大学の研究者らによる「東北アジア歴史認識研究会」が主催し、日本人学生と中国人留学生計39人と日中の研究者13人が参加した。
 初日は市民団体「日中不再戦友好碑を守る会」(大館市)の富樫康雄さん(80)らの案内を受け、中国人殉難者供養塔や花岡平和記念館などを見学。2日目は8班に分かれて議論し、模擬授業案を発表した。
 日本人学生は「戦争のさなか、中国人を敵と見なし、人扱いしていなかったという背景を知る必要がある」「自分のこととして捉えてもらうため、慰霊碑の草取りなど現地の環境を少しでも疑似体験させる」などの案を出した。
 中国人留学生は「花岡事件は中国では知らない人も多い。事件そのものを丁寧に説明する必要がある」「慰霊式を行うなど和解を目指す地元の取り組みや、日本人の歴史に対する真剣な態度を紹介したい」などの案を発表した。
 清華大(北京市)の王中忱教授(比較文化学)は「戦争を知らない学生が現場を見て、自分のこととして捉えていた姿が印象に残った」と語った。
 研究会代表の今野日出晴岩手大教授(歴史教育)は「花岡事件は加害行為だけではなく、和解の在り方を考えることができる事例。国や大学を超えて意見を交わせたことは意義深かった」と話した。


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2016年08月29日月曜日


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