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<東北大>軍事研究に歯止め 指針策定へ

 東北大が、軍事用と民生用のどちらにも使える「デュアルユース技術」の研究に関し、指針の策定に乗りだしたことが29日、分かった。政府がデュアルユース技術の研究を推進する中、軍事技術に直結する研究に慎重な大学の姿勢を明文化し、一定の歯止めをかける狙いがある。
 学内に部局長クラスで構成するプロジェクトチーム(PT)と、教授や准教授でつくるワーキンググループ(WG)を発足させ、既に検討作業に入っている。
 日本学術会議が、政府のデュアルユース技術研究の推進方針を踏まえ、戦後に堅持してきた「軍事目的の研究を行わない原則」の再検討を始めており、結論を待って指針をまとめる。
 指針で「軍事に寄与する研究はしない」と姿勢を明確にするか、民生利用が明らかな技術研究に道を残すかどうかが焦点になる。
 東北大はこれまで、軍事関係機関の研究公募に応募する場合は「人類の健康と福祉、社会の安全と安寧、(中略)に貢献するよう努めなければならない」と定めた大学の行動規範などから可否を判断してきた。
 防衛省の外局、防衛装備庁が昨年度から始めた「安全保障技術研究推進制度」への応募も学内の研究推進本部で審議し、一度も認めなかった経緯がある。
 担当者は「防衛装備庁が主導するため、軍事技術に直接つながる研究に誘導される可能性が否定できないと判断した」と説明する。
 一方、政府はデュアルユース技術の研究を国家戦略に据え、本年度は予算を6億円に倍増させて推進している。国立大の基礎研究資金は年々減少しており、学内には「軍事に直接関係しない研究なら問題ない」との意見もあるという。
 PT、WG事務局の石田秀明研究推進部長は「予算獲得だけではなく、人類、社会のために研究成果を発信するのが研究者の使命。国立大という公的機関が、逸脱するような研究をしてはいけない」と話した。


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2016年08月30日火曜日


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