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<震災資料廃棄>犠牲の原因再検証要望へ

 東日本大震災後、宮城県名取市閖上地区の被災状況を調べた市の第三者検証委員会が作成した検証報告書の基礎資料が廃棄された問題に関連し、犠牲者が多数に上った原因の再検証を、市民有志が市に求めることが29日、分かった。近く山田司郎市長に要望書を提出する。
 市民有志によると、防災無線の故障や適切な避難誘導ができなかった原因の究明に加え、基礎資料を廃棄した責任の追及や防災安全計画の見直しなどを求める。
 メンバーの一人は取材に「基礎資料が廃棄され、元の検証は根拠が揺らいだ。山田新市長の下での再検証を強く求める」と述べた。
 同地区の検証を巡っては、市が2013年7月、一般社団法人「減災・復興支援機構」(東京、木村拓郎理事長)に事務局の運営業務を委託した。機構は14年4月に最終報告書を市に提出。情報漏えいの危険性を理由に15年5月、独断で基礎資料を廃棄した。
 基礎資料には市災害対策本部の対応や防災無線の故障に関する市幹部への聴取記録が含まれていたとみられる。市は資料の廃棄に関する規定を契約書に明記していなかった。
 廃棄問題は、閖上地区の津波訴訟で原告側が書証の入手を試みた過程で発覚。再検証を求める活動は原告を支援する会が中心で、一部メンバーは機構に約4500万円の業務委託料を返還させるよう市長に求め、仙台地裁に提訴している。


2016年08月30日火曜日


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