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<台風10号>またか 農家・漁業者ら警戒

台風10号に備え、漁船が避難する気仙沼港=29日午前10時20分ごろ

 台風10号が直撃する恐れがある東北の農家や漁業者は29日、対応に追われた。台風上陸は7号、9号に続いて8月だけで3個目。生産者はうんざりした表情で警戒を強めた。
 収穫期を迎えるリンゴやナシは落果の危機が迫る。青森市浪岡のリンゴ農家深堀茂一さん(58)は防風ネットを畑に張り、木が折れないように支柱を立てた。
 深堀さんは「リンゴが落ちるのは仕方がないが、木が折れたり、裂けたりすると大変。1991年9月のリンゴ台風の時は実がほとんど落ちた。少しでもそれてほしい」と願った。
 宮城県利府町春日のナシ農家引地俊彦さん(64)は防風ネットに加え、風で揺れないよう実を付けた枝と地面とを針金で固定した。
 22〜23日に東北を縦断した台風9号では防風ネットが破損し、収穫前の約120キロが落果したばかり。「今年は例年より大きく実を付けたのに、また台風か」と表情を曇らせた。
 収穫量の6割を占める主力品種「あきづき」は6〜7割ほどの大きさに成長し、来月25日に収穫開始を控える。「あきづきは軸が折れやすく、風に弱い。収穫期に台風が直撃するなんて初めてだ」と語った。
 宮城県気仙沼市の気仙沼港では、台風を避けるため三陸沖を漁場とする高知県や宮崎県のカツオ一本釣り漁船が30隻以上寄港し、岸壁にロープでつないだ。宮崎県日南市の漁労長上山和明さん(44)は「台風避難は2度目。生き餌は死んでしまうし、台風の影響でカツオの群れも散ってしまう」と嘆いた。
 カキやホタテなどの養殖業者も気をもむ。気仙沼市唐桑町の養殖業の男性(45)は「カキは台風への備えができずどうしようもない。出荷直前は落下しやすい」と不安げだ。岩手県宮古市の宮古漁協牡蠣(かき)養殖組合の山根幸伸さん(59)は「大雨で川が増水しカキの苦手な真水が湾内に流れ込む。台風続きで弱っているカキに被害が出ないか心配」と話した。


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2016年08月30日火曜日


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