宮城のニュース

津波で失われた4集落残したい 模型で再現

神戸大の大学院生(左から3人目)から模型製作の説明を受ける阿部さん(左から2人目)ら住民たち

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受け、災害危険区域に指定された宮城県石巻市大川地区の尾崎、長面、釜谷、間垣の4集落の住民有志が神戸大などの協力を得て、震災前の街の様子を模型で再現する事業を進めている。かつての街並みを住民の記憶にとどめ、後世に伝えるのが狙い。本年度中の完成を目指す。
 取り組みは、神戸大大学院の槻橋修研究室が中心となり、陸前高田市やいわき市など岩手、宮城、福島3県の約50地区で行われている「『失われた街』模型復元プロジェクト」の一環。
 今回は、釜谷地区行政委員を務める阿部良助さん(69)の声掛けがきっかけとなった。阿部さんは震災で大川小に通う孫2人を亡くしており、「街の記憶を残したい」との思いを行動につなげた。
 阿部さんは長面地区でカフェを運営する一般社団法人「長面浦海人(うみびと)」に相談。槻橋研究室が手掛けるプロジェクトを知り、同法人が取り持つ形で実現した。
 学生らが住民に聞き取り調査し、釜谷・間垣地区と尾崎・長面地区の二つの模型を作る。16日には市内の河北三反走、追波川河川両仮設住宅で、神戸大の大学院生による住民説明会があり、計約20人が参加した。
 住民は模型の大きさが一辺数メートルになることや、出来上がった模型に自分たちで色付けする作業工程の説明を受けた。
 参加者から「大川中も復元してほしい」との意見が出され、計画に反映される。大川小のある釜谷・間垣地区は11月、尾崎・長面地区は来年3月の完成を予定している。
 阿部さんは「プロジェクトによって被災者の気持ちが少しでも救われるのではないか。離れ離れになった住民が集うきっかけになればうれしい」と語った。


2016年08月31日水曜日


先頭に戻る