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<リオ五輪>柔道女子・南條監督 活躍に貢献

リオデジャネイロ五輪柔道女子70キロ級で金メダルを獲得した田知本がオランダ選手と対戦した2回戦で指示を出す南條監督

◎戦術徹底 日本選手の良さ引き出す

 リオデジャネイロ五輪で柔道の女子日本代表は、前回のロンドン五輪の3個(金、銀、銅各1)を上回る金1、銅4の計5個のメダルを獲得した。暴力指導問題で揺れた代表チームを2013年から引き継いだ仙台大教授の南條充寿監督(44)の自立性を重んじる指導が結実した。(原口靖志)

 「お家芸」のプライドと海外のスタイルへの敬意。リオ五輪で柔道女子日本代表の躍進を支えた南條監督の指導には、二つの意識が垣間見える。ポイントを奪って優勢勝ちを狙う外国人の傾向を理解した上で、一本勝ちを追い求める日本柔道の良さを最大限に引き出す戦術を選手に浸透させ結果につなげた。

<メダル数上回る>
 「日本人の技術がたけているのは間違いない。それを相手にどのようにぶつけていくのかが求められている」。南條監督はそう強調する。2013年の就任から徹底して取り組んだのが外国人対策。映像などでポイントを取りにいくタイミングや動きを分析し、データ化した。
 その結果、外国人選手は序盤でポイントを奪って逃げ切る傾向が強いことが分かった。「相手の戦術が勝っていることを理解した上で自分の柔道をする。そのための情報を与えた」。ポイント狙いの仕掛けをかわし、しっかり組み合いつつ足技などで崩して重圧を掛け続ける「ながら柔道」(南條監督)を植え付けた。
 取り組みは獲得メダル数で前回を上回る結果に表れたが、南條監督は「前半の4階級(48、52、57、63キロ級)とも準決勝や3位決定戦で序盤に先手を奪われて敗れた。今までの経験を生かし切れなかった」と満足していない。

<師の遺志を継ぐ>
 信用が失墜した代表チームの再建を託された亡き師に報いたい一心だった。難局を乗り切る指導者として起用してくれた当時の全日本柔道連盟の斉藤仁強化委員長(故人、青森市出身)。08年北京五輪では男子代表監督だった斉藤氏に対し総務コーチとして支えた。
 「日本柔道の使命を強く感じている方だった」という斉藤氏は昨年1月に54歳で死去した。リオから帰国後の8月26日、大阪の仏前で結果を報告した。「『金1個だけか。お前の力が足らん』と怒っていると思う」。その言葉に、遺志を継いで代表を率いた強い責任感がにじんだ。


2016年08月31日水曜日


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