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<移住促進>福島・川内 ひとり親世帯に照準

体験ツアーに参加した親子(左)はバーベキューなどで地元住民とも交流した

 福島県川内村は、ひとり親世帯をターゲットにした移住促進に取り組んでいる。体験ツアーや家賃補助、就学支援といったメニューを用意した。東京電力福島第1原発事故による避難区域が今年6月に解消されたばかりで人口減少などの課題と向き合う村に新住民を呼び込むのが狙い。既に県内の1世帯が移住した。
 村が7月末に実施した1泊2日の体験ツアーには2組の親子が参加。小学校や商業施設を見学し、就労環境の説明を受けた。釣りやバーベキューといった里山の遊びを楽しんだ。
 「息子をのびのび育てたい」と横浜市の契約社員の女性(42)は長男(5)と参加した。「小学校の設備が充実していた。自然も豊か」と村に好感を抱いた様子だった。
 村はひとり親世帯を呼び込む施策を次々と打ち出している。村内への転居には50万円を支給するほか、月額家賃の5分の3(上限4万円)を最長3年間補助する。就学支援では、小学生のいる世帯に年間7万〜9万円、中学生のいる世帯に9万〜12万円をそれぞれ支給する制度を設けた。
 川内村は一時、原発事故で全村避難となった。避難区域は徐々に縮小し、6月14日には全て解消された。ただ東日本大震災の発生時に3038人だった村民の帰還は進まず、8月1日現在の村内生活者は1830人にとどまる。
 住民の帰還に加え、移住促進や交流人口の拡大が課題となる中、村は移住対象をひとり親世帯に絞って特色を出すことにした。
 空間放射線量に関しては、村は文部科学省の測定結果を基に「森林除染が進まない山間部を除き、おおむね毎時0.2〜0.3マイクロシーベルト以下」と説明。体験ツアーには連携協定を結ぶ長崎大の関係者が同行し、放射線の基礎知識を紹介したという。
 村は今後も体験ツアーを企画し、移住世帯を増やしたい考え。担当者は「豊かな自然や生活コストの低さといった魅力の半面、高校がない不便さがある。そうした事情を理解した上で移住を望む世帯が次々と出てきてほしい」と期待する。


2016年08月31日水曜日


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