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<台風10号>岩手3市町で集落孤立

鵜住居川からあふれ、住宅に押し寄せる濁流=30日午後5時15分ごろ、釜石市橋野町(読者提供)

 台風10号は30日、暴風域を伴い東北に上陸して縦断、被害をもたらした。宮城県名取市で1人、青森県八戸市で2人がけが。岩手県では釜石市、遠野市、岩泉町の一部で集落民家が孤立した。岩手県8市町村が避難指示を、青森県9市町村と岩手県12市町村、宮城県丸森町がそれぞれ避難勧告を出した。

●避 難
 岩手県災害対策本部によると、釜石市橋野地区で、鵜住居川の水位上昇と土砂流出で道路が寸断され、住民66世帯142人が孤立状態となった。岩泉町のホームセンターでは床上浸水し、店員2人が孤立。それぞれ陸上自衛隊に災害派遣要請した。
 遠野市では恩徳、一ノ渡など4地区が孤立。岩泉町二升石(にしょういし)地区でも民家1棟が孤立し、4人が2階に避難した。同地区では1人が川に流されたとの情報があり、消防が救助に向かった。
 避難指示は宮古、釜石、遠野、大槌、住田、一戸、野田、普代の8市町村の1万5312世帯3万3624人が対象。宮古市は全ての仮設住宅235世帯614人に避難を指示した。
 宮古市田老の仮設住宅から近くの体育館に避難した宮森チサさん(84)は「住んで5年以上になるが、仮設では不安だ」と話した。
 岩手県で約20万7000人、青森県で約25万7000人に避難を勧告した。このうち八戸市は全域の23万4585人。石巻市は14カ所に避難所を設け、住民が身を寄せた。
 東日本大震災で自宅を失い、高台に再建した陸前高田市の吉田とくへさん(83)は市内の市の施設に自主避難。「安全な所に家を建てたが、今度は山津波が心配」と不安げに話した。

●被 害
 宮城県名取市増田3丁目の女性(75)が30日午前11時ごろ、突発的な強風により、自宅マンションのドアに左手を挟まれ、中指を切断する大けがをした。
 青森県八戸市の40代女性が自宅敷地内で風にあおられて転倒し、軽いけが。同市の60代男性も自宅の高さ約3メートルの屋根で作業中に転落し、右腕と腰を打った。
 福島県相馬市の松川浦漁港では護岸工事用の高さ5.4メートル、長さ40メートルの足場が転倒。陸前高田市ではトタン屋根が飛ばされた。いずれもけが人はなかった。
 規制雨量を超えた宮城県石巻市と女川町の県道牡鹿半島公園線(コバルトライン)は一時、全面通行止めとなった。福島市飯坂町の国道399号は一部で道路が崩落して通行できなくなった。復旧のめどは立ってない。
 ほかに、気仙沼市港町の交差点で水があふれるなど道路の冠水や通行止め、倒木が相次いだ。

●交通機関・電力
 JR東日本によると、新幹線は東北、北海道、秋田新幹線で上下計51本が運休し、約2万5500人に影響した。
 空の便は仙台空港の58便をはじめ、青森、花巻、山形、福島など各空港で欠航した。
 東北電力によると30日午後9時現在、東北6県で延べ8万3196戸が停電した。内訳は青森3万8219戸、岩手3万4716戸、秋田2349戸、宮城5194戸、山形1162戸、福島1556戸。


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2016年08月31日水曜日


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