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<かさ上げ市街地>にぎわい復活へ動きだす

ワークショップでまちづくりや店づくりの意識を共有する商業者たち=7月21日、陸前高田市

 陸前高田市の中心市街地でようやく、まちづくりが動きだす。人口減少で商圏が縮小する中、どうにぎわいを生み出すか。地元の商工会などは、街の魅力を高めようと勉強会を重ねる。
 新市街地は、東日本大震災の津波で浸水した26ヘクタールを高さ8〜10メートルかさ上げする。陸前高田ショッピンセンター(SC、仮称)を核に、周辺に個別の店舗が建つ。文化施設や博物館・震災復興関連施設、イベント広場などを設け、周遊性を高める。個別店舗は今年11月を皮切りに、2017年度末までに着工可能となる見通し。
 陸前高田商工会によると、震災で699事業主の19.7%に当たる138人が犠牲になった。廃業や市外に出た業者も相次ぎ、14年10月現在、事業継続は約55%の331事業主になった。
 現在、中心部に出店を予定するのは非会員も含めて100〜110。商工会の伊東孝会長は「まちの形が見えず、迷っている事業者もいると思う」と話す。
 昨年の国勢調査(速報値)の市人口は、震災前の2010年比で15%減少した。ついに2万を切り、今後も減少が予想される。
 震災後、市街地から離れた高台では住宅の自力再建が加速。復興事業による住宅再建の意向からも、高台に多くの人が住みそうだ。沿岸部に整備される「復興祈念公園」には、市外からの来訪が見込まれる。高台の住民と市外からの来訪者。双方を客としてどう呼び込むかが重要だ。
 商工会は本年度、8カ月に及ぶ勉強会を続ける。愛知県岡崎市、兵庫県伊丹市などの先進例を参考に顧客開拓や市民参加といった手法を学ぶ。市も商業者と景観、陸前高田らしさなどゼロから話し合い、共有しようとしている。
 伊東会長は「震災前から課題がありながら変われなかったが、まとまって一つの街をつくろうとしている。苦しいのはこれから。安心感はない」と強調した。


2016年09月01日木曜日


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