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<台風10号>岩手11人死亡 2人不明

9人の遺体が見つかった高齢者グループホーム「楽ん楽ん」(右上の平屋の建物)。隣接する介護老人保健施設には流木が押し寄せた=31日午後2時50分ごろ、岩手県岩泉町

 台風10号による暴風雨の影響で、岩手県や北海道で8月30日夜から31日にかけて堤防の決壊や浸水被害が相次いだ。岩手県では31日、岩泉町内の高齢者グループホームで男女9人の遺体が発見された。ほかに同町と久慈市で計2人の遺体が見つかり、計11人の死亡を確認。同町で2人、北海道で3人が行方不明になっている。増水した川の氾濫による被害も相次ぎ、同町中心部などが浸水、宮古市では市役所が一時孤立した。台風10号は30日夜に日本海に抜け、温帯低気圧に変わった。
 岩泉町では31日午前、岩手県警が同町乙茂の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」内で、男女9人の遺体を発見した。いずれも70代以上の入所者とみられ、県警が身元確認を急いでいる。施設の南側を流れる小本(おもと)川が増水してあふれ、水が流れ込んだとみられる。
 乙茂地区は30日夜、増水により広範囲で浸水した。「楽ん楽ん」に隣接する介護老人保健施設「ふれんどりー岩泉」は2階付近まで浸水し、85人の入所者らが3階に避難し救助を要請。31日朝に駆け付けた警察官らが平屋の「楽ん楽ん」を捜索したところ、遺体を発見した。
 「ふれんどりー岩泉」の入所者は救出され、ヘリコプターで町内の病院と特別養護老人ホーム、盛岡市内の病院などに搬送された。
 同町は台風接近に備え、30日午前9時に町内全域に避難準備情報を発表。その後、乙茂地区には避難指示や勧告を出していなかった。町総務課は「小本川の急激な水位上昇を予測できなかった」と説明している。
 県内ではほかに、同町小川地区の小本川河川敷で70代男性1人、久慈市山根町の浸水した住宅で89歳女性1人が遺体で見つかった。
 県は31日夜、県庁を訪れた政府調査団に激甚災害の指定を要望した。調査団は1日、久慈市や岩泉町の被災状況を調査する。

[高齢者グループホーム]「楽ん楽ん」 認知症の高齢者を対象としたグループホームとして2011年4月開設。隣接する介護老人保健施設「ふれんどりー岩泉」とともに、医療法人社団「緑川会」(岩手県岩泉町、伊藤昭治理事長)が運営する。建物は平屋で定員は9人。


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2016年09月01日木曜日


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