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<台風10号>岩手7市町1600人孤立 被害拡大

9人が犠牲になった「楽ん楽ん」の前で花を手向ける関係者。周囲にがれきや被災した車が残る=1日午前10時ごろ、岩手県岩泉町

 台風10号による豪雨の影響で、道路の寸断や河川の増水などにより岩手県内の7市町で1595人が孤立していることが1日、県災害対策本部のまとめで分かった。このうち被害が甚大だった岩泉町の孤立が929人に上っている。状況が判明するにつれ、さらに増える可能性がある。入所者とみられる9人が犠牲になった同町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」では、施設関係者が花を手向けて冥福を祈った。
 県内の孤立人数は8月31日正午時点で約700人だったが、岩泉町の詳細が判明して増えた。同町以外は遠野市239人、宮古市216人、釜石市142人、大槌町50人、久慈市18人、軽米町1人。
 岩泉町は1日朝、町役場で開いた災害対策本部会議で、町内に住む男女17人と連絡が取れていないことを明らかにした。安家(あっか)地区や有芸(うげい)地区の被災状況が把握できておらず、消防や陸上自衛隊がヘリコプターで捜索する。
 会議後、伊達勝身町長は町内5地区が孤立状態にあるとの認識を示し「約1500世帯3500人が安全ではないと考えられる。高齢化率は50%を超えている。連絡が取れず心配だ」と話した。
 「楽ん楽ん」がある乙茂地区に8月30日、避難指示や勧告を出さなかったことに関しては「現場の状況を確認し、グループホームから大丈夫だと電話もあった。小本川の水位が急に上がり、残念だが勧告を出す暇もなかった」と説明した。
 濁流の爪痕が残る「楽ん楽ん」に1日午前、隣接する介護老人保健施設「ふれんどりー岩泉」の職員らが訪れ、黙とうをささげた。
 同町では全域で断水と停電が続く。済生会岩泉病院では入院患者の食事が作れない状況になり、患者60人と隣接する特別養護老人ホームの入所者120人を内陸部に移送する方針。
 県災害対策本部は8月31日に同町で2人が行方不明になっていると発表したが、状況を確認する必要があるとして「不明者なし」に修正した。


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2016年09月01日木曜日


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