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<世界防災フォーラム>被災地の教訓共有期待

世界防災フォーラムの開催を発表する(右から)伊藤副市長、ウォルター代表、小野教授=8月31日、ダボス

 「世界防災フォーラム(仮称)」の仙台定期開催が発表された第6回国際災害・リスク会議(IDRC、8月28日〜9月1日)では、東日本大震災から5年が経過した被災地の課題、防災啓発の取り組みが関心を集めた。被災地の教訓を世界と共有する場となる新しいフォーラム開催にも期待の声が寄せられた。
 スイス・ダボス市で隔年開催されるIDRCには、世界70カ国から災害研究者や政府機関、民間組織、メディア関係者500人が参加。都市の危機管理や気候変動対策など七つのテーマで最新の報告があり、議論を交わした。
 震災5年をテーマにした全体会議には、日本からも多くの関係者が参加した。被災地の復興状況と防災啓発の現状を報告した仙台市の伊藤敬幹副市長は「震災を経験した都市として防災発信に全力を尽くす」と強調。女性参加による防災推進の重要性や「ビルド・バック・ベター」(被災前より災害に強い復興)の実践例を紹介した。
 参加者は、被災地が産学官民連携で防災に取り組む姿勢を高く評価。英国の危機管理コンサルタント企業のガレス・ジョーンズ部長は「震災の経験に世界が学ぶ点は多い。ぜひ来年の仙台開催のフォーラムにも参加して、被災地の実情を知りたい」と話した。
 メディアの役割も主要テーマになり、河北新報社は震災後に取り組む巡回ワークショップ「むすび塾」や事務局を務める連携組織「みやぎ防災・減災円卓会議」の活動内容を報告した。
 「報道機関は地域の命を守る責務を自覚し、関係機関と連携して踏み込んだ啓発に取り組む役割を負う」との発表には、多くの参加者が賛同。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の元防災部長で、IDRCを運営するグローバルリスクフォーラム(GRF)シニアフェローのバダウィ・ルーバン氏は「メディアの関わりはますます重要になる。研究機関との連携を強め、防災発信を強化してほしい」と期待した。
 世界防災フォーラムの開催は、被災地の経験や研究成果を継続的に共有する機会になるだけに、参加者からは意義を評価する声や参加希望が相次いだ。(ダボス=武田真一)


2016年09月02日金曜日


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