岩手のニュース

<台風10号>岩手死者12人に 1100人依然孤立

9人の入所者が亡くなった高齢者グループホーム「楽ん楽ん」(後方の建物)を視察した政府調査団=1日午後1時15分ごろ、岩手県岩泉町

 台風10号による豪雨被害で、岩手県内では道路寸断や河川増水のため、宮古市と岩泉町で約1100人が依然、孤立していることが1日、県災害対策本部のまとめで分かった。被害が甚大な岩泉町では住民17人と連絡が取れていない。県警によると同日夕、9遺体が見つかった岩泉町乙茂の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」から数百メートル離れた小本(おもと)川近くで、新たに1人の遺体を発見した。今回の豪雨による県内の死者は計12人になった。久慈市と岩泉町で死亡した2人の身元は判明した。
 連絡が取れていない17人は、被害に巻き込まれている恐れがあるとみられる。
 孤立状態にあるのは岩泉町の約900人、宮古市の約200人。同日午前の孤立人数は約1700人に上ったが、釜石市、遠野市、大槌町、軽米町で道路復旧などが進み、孤立地区がなくなった。
 県警は「楽ん楽ん」で遺体で見つかった入所者とみられる9人について、男性2人、女性7人だったと明らかにした。同日は施設関係者が花を手向けて犠牲者の冥福を祈った。
 政府調査団は同日、岩泉町に入りホームの被災状況を視察した。団長の務台俊介内閣府政務官は「予想以上にひどい状況だ。繰り返さないよう教訓を共有したい」と述べた。
 県警によると、同町袰綿(ほろわた)の小本川河川敷で見つかった男性は同町穴沢の岩舘五郎さん(76)、久慈市山根町の浸水した民家で見つかった女性は中塚スヂイさん(89)と分かった。それぞれの家族が確認した。
 岩舘さんは自宅から避難する際に増水した川に流されたとみられる。中塚さんは自宅への浸水に巻き込まれたとみられる。死因はいずれも水死。
 土砂崩れなどで通行止めが続く宮古市と盛岡市を結ぶ国道106号は、仮設道路の整備が進み、3日午後5時に通行止めが解除される見通しとなった。
 水産業の被害は陸前高田市や大船渡市、山田町でカキやホタテの養殖棚73台が流失。サケのふ化場は宮古市や野田村など8カ所で浸水などの被害を確認した。


関連ページ: 岩手 社会

2016年09月02日金曜日


先頭に戻る