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<原発事故>来春休校 全員笑顔で卒業を

仮校舎の教室で同級生と談笑する山田勇樹さん(奥左)と拓実さん(奥右)

 東京電力福島第1原発事故で福島県大熊町から同県いわき市に避難する双葉翔陽高は来年春に休校する。3年生12人だけの学校を引っ張るのは山田勇樹さん(18)と拓実さん(18)。三つ子の長子と末子で、それぞれ生徒会長とクラス委員長を務める。来年3月1日の卒業式まで半年。「全員が笑顔で卒業できるよう力を合わせる」と話す。
 2人は帰還困難区域の福島県浪江町大堀の出身。二本松市に仮校舎がある浪江中に通った。現在は、いわき市に家族で避難する。
 双葉翔陽高の休校は受験時に決まっていたが、「総合学科に魅力を感じた」と拓実さん。勇樹さんは「相双地区の学校に行きたかった。拓実と一緒に翔陽高を盛り上げたいとの気持ちが決め手になった」と語る。きょうだいの真ん中、くるみさんは英語科のある別の高校に進んだ。
 生徒会長は主に交流や社会貢献など対外的活動の先頭に立ち、委員長は校内をまとめる役割を担う。性格は「真逆」で、勇樹さんが明るいムードメーカーの「ぼけ役」、拓実さんは横から口を挟む「突っ込み役」という。
 2人は入学当初、人数の少なさに戸惑うこともあったが、今は違う。「少ないから大変と言われたくない。1人の責任が大きく、大勢ではできない活動にも取り組める。団結力が強く、一人一人が楽しく学校生活を送っている」
 双葉翔陽高は卒業式後の3月12日の休校式を経て、いったん歴史に幕を下ろす。「充実感と達成感のある卒業式にする。休校は悔しいが、全国からの支援に感謝の気持ちを発信したい」と勇樹さん。拓実さんは「クラスをリードし、翔陽らしく明るく楽しい学校生活で締めくくりたい」と話す。
 菅野利彦校長は「2人を中心に、12人全員が協力し合っている。『二十四の瞳』のまとめ役として最後まで頑張ってほしい」と期待する。


2016年09月02日金曜日


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