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<台風10号>養殖やふ化場…岩手の水産打撃

鵜住居川ふ化場に流入した泥を洗い流す職員=1日午後1時50分ごろ、釜石市片岸町

 台風10号の影響で岩手県内の水産業に深刻な被害が出ている。県の2日現在のまとめでは、陸前高田市など5市町村の養殖施設で、少なくとも142台の流失や損壊を確認した。県内20カ所のサケふ化場のうち、野田村や釜石市など9カ所で浸水被害があった。沿岸全域の調査は済んでおらず、被害はさらに拡大する見通し。県は沿岸に職員を派遣し、状況把握に努めている。

 県によると、陸前高田市、大船渡市、釜石市、山田町、野田村でカキやホタテなどの養殖施設が被害を受けた。定置網も大船渡市など4市町村6カ所で破損。漁港には大量の流木や漂着ごみがたまり、沖合への出船にも影響が出ている。
 大船渡市の門之浜漁港ではカキの養殖施設が被災。あと1カ月ほどでむき身の出荷が始まる時期だった。大船渡市漁協末崎支所によると、台風10号で海中に7割程度落下している可能性があるという。
 養殖漁師の小松茂樹さん(57)は「来年以降に出荷するカキもあるので、復旧までには2年以上かかるだろう」と肩を落とす。
 浸水被害があったサケのふ化場は、有家川(洋野町)安家川(野田村)県営県北(同)小本(岩泉町)松山(宮古市)津軽石(同)重茂川(同)鵜住居川(釜石市)大槌川(大槌町)。安家川ふ化場は土砂や流木が堆積し壊滅状態になった。
 東日本大震災で全壊し、2013年に再建された鵜住居川ふ化場は高さ約70センチまで浸水し、大量の泥が流れ込んだ。ふ化場を囲むフェンスは流木が絡まり倒壊。配水ポンプ2基が故障して動かなくなった。施設を運営する釜石東部漁協の職員は建物内の泥をかき出し、設備や備品の洗浄作業に追われている。
 佐々木茂行場長(45)は「秋サケ漁が本格化するまでに施設の復旧を間に合わせたい」と話した。
 紺野由夫県農林水産部長は「漁業が基幹産業の県にとって、深刻な被害が出ている。できるだけ早く全容を把握し、復旧の道筋をつけたい」と語った。


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2016年09月03日土曜日


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