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<台風10号>岩泉 新たに複数遺体か

行方不明者の手掛かりを求め、重機でがれきの下を捜索する救助隊員ら=2日午後1時30分ごろ、岩手県岩泉町安家

 台風10号の豪雨被害で、岩手県岩泉町乙茂の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」で見つかった9遺体のうち、男性1人と女性6人の身元が2日、判明した。県災害対策本部は同日、県内の死者が12人になったと発表。同町ではほかに複数の遺体が見つかったとの情報もあり、犠牲者はさらに増える恐れがある。同町と久慈市では計29集落1093人が孤立しており、住民の安否確認と救助を急いでいる。

 岩泉町によると、住民9人と依然として連絡が取れていない。災害に巻き込まれた可能性があるとみられる。1日時点では17人と連絡が取れていなかった。
 県警によると、身元が判明した7人は岩泉町岩泉の佐々木悦子さん(88)、同町中島の千葉繁喜さん(77)、同町安家の中屋敷チエさん(85)、同町門(かど)の畑中ソメさん(82)、同町釜津田の曲沢アサヱさん(84)、同町岩泉の三浦敦子さん(79)、同八重樫チヤさん(95)。
 いずれも入所者で、死因は溺死だった。ほかに犠牲となった2人の確認も急ぐ。1日夕に同町乙茂で見つかった遺体は男性だったことも分かった。
 孤立状態の集落は岩泉町で27カ所、久慈市で2カ所。岩泉町で428世帯873人、久慈市で107世帯220人となっている。
 岩泉町北部の安家地区では119世帯234人、西部の大川地区では180世帯388人が孤立状態とみられる。南部の鼠入(そいり)地区でも3集落の53世帯109人が取り残されているとみられる。
 大川、鼠入地区はいずれも町中心部につながる唯一の道路が寸断。自衛隊などがヘリコプターで食料や水を運び、隊員が安否確認を進めている。安家地区の一部では車両が通行できる道路が確保され、消防や自衛隊が入った。
 久慈市は1日の捜索の結果、道路が寸断されていた山根町と山形町繋の2地区に取り残されている人数が判明。宮古市の孤立は道路復旧で解消された。
 停電の影響で宮古−普代間で運転を見合わせていた三陸鉄道北リアス線は、3日の始発から全線で運転を再開する。
 県は2日、岩泉町に現地対策本部を設置した。被災現場を視察した達増拓也知事は「仮設住宅の建設やホテル、旅館を避難所にすることを確認した。激甚災害の指定を政府に働き掛ける」と述べた。


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2016年09月03日土曜日


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