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「本の力」人結ぶ 会員制私設図書館充実

本をテーマに話す講師の鎌倉さん(中央)。施設では2カ月に1回、講演会を開いている

 会員制の私設図書館が、秋田市中心部の中通4丁目にある。昨年6月に開館した「本庫HonCo(ほんこ)」だ。本格的な私設図書館は秋田県内では珍しい。今月には会員以外も楽しめる文学講座を始めるなど、本、文学と、人とをつなぐ「知の交流拠点」を目指している。
 真四角な外観の建物は、木造2階で延べ床面積約90平方メートル。1軒丸ごと図書館だ。内部はコンパクトな空間を生かして約2万冊収容できる設計で、階段脇にも本棚が並ぶ。蔵書は約1万冊で郷土の本や児童書などをそろえる。各階に計30人分のフリースペースがあり、読書や調べ物ができる。
 施設の代表は、秋田市立図書館などで司書として25年以上勤務し、今春退職した天雲成津子さん(59)=秋田市=。数千万円の建設費は全額負担した。東日本大震災後に生き方を再考し、「本と人がつながる場をつくりたい」と決断した。
 開館以来、力を入れているのが、「本の力」と題した講演会。2カ月に1回開いており、会員以外も500円で参加できる。
 8月28日にあった6回目は、講師に会社員鎌倉幸子さん(43)=東京都中央区、弘前市出身=を招いた。震災後、国際ボランティア団体スタッフ(当時)として陸前高田市などの被災地で移動図書館を始めた鎌倉さん。仮設住宅の住民が移動図書館を楽しみにしていた事例を挙げ、図書館の魅力を伝えた。
 参加した国際教養大(秋田市)の加藤信哉図書館長(62)は「温かな雰囲気の中、意見交換ができた」と話し、知の交流に刺激を受けた様子だった。
 今月からは現代詩を取り上げる文学講座もある。5日を初回に、10月17日まで4回開催。会員以外も参加可能で、各回500円。11月以降は反響を見ながら継続を検討する。
 会員は準会員も含め約30人。うち十数人が運営に携わる。正会員は基本的に紹介制で、会費は年1万2000円。準会員の施設利用料は1回1000円で、希望回数を記した会員証を交付する。開館は日、月、水曜の午前10時〜午後6時。連絡先は「本庫HonCo」018(827)7032。


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2016年09月04日日曜日


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