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<大衡父子水死>ため池傾斜 滑って上がれず

記者会見する水難学会の斎藤会長(左)ら

 宮城県大衡村のため池で7月に父子3人が死亡した水難事故を調査していた水難学会は6日、大崎市内で記者会見し、「一見安全そうに見える池ののり面は、大人が水中から上陸できない傾斜角度だった」と危険認識の不足を指摘した。
 事故は7月1日、大衡村の八志沼で発生。釣りをしていた30代の父親と、小学生と幼稚園児の兄弟がおぼれて亡くなった。学会の事故調査委員会は8月、事故現場近くで池に入った大人が自力で陸に戻れるか、子どもを陸に上げられるかなどの検証実験を行った。
 池のコンクリート製のり面の傾斜角は27度。乾いた状態なら人が歩けるが、水にぬれたり表面にこけが生えていたりすると滑って水中から上がれなかった。子どもに見立てた重さ約18キロのポリタンクを上陸させる実験も失敗した。
 学会長の斎藤秀俊長岡技術科学大教授は「陸からは危険性を感じられない角度だった。しかし実際には危険が潜み、そのコントラストの大きさが恐ろしい水難事故につながった」と述べた。ため池には不用意に近づかず、万が一着衣のままおぼれた場合は「必ず浮くので、そのまま助けを待ってほしい」と呼び掛けた。
 水難学会は2011年の設立で、会員は消防士や研究者ら約1800人。3人以上の犠牲者が出た水難事故で調査を行っており、今回の結果は今後、ホームページなどで報告し、広く注意を喚起する。


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2016年09月07日水曜日


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