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<台風10号>岩泉町の被害全容把握遠く

岩が転がり復旧が手付かずの道路。被害の全容把握にはまだまだ時間がかかる

 台風10号の豪雨災害で15人が死亡した岩手県岩泉町の被害は、1週間がたっても全容判明の見通しが立っていない。被災家屋の調査は始まったばかり。人手が足りず、広大な町の被害を把握するには時間を要する。安否不明の住民は6人で、調査が進めば犠牲者がさらに増える恐れがある。
 3日に始まった被災家屋の調査で、町税務出納課の職員が岩泉向町集落に入った。6日までに160戸を調べ終えたが、罹災(りさい)証明書の受け付けの見通しが立つ状況ではないという。
 東日本大震災で同町は、海に面した小本地区で被災家屋を調査した経験がある。しかし、ある町職員は「震災では一部だったが、今回は町全域が被災した。被害を把握する人手が足りない」と違いを説明する。
 調査の遅れは、安否不明者の確定にも影響している。死亡した15人が発見された場所は図の通り。同町が発表している不明者は男性3人、女性3人の計6人いる。
 岩泉署のある捜査幹部は「6人は連絡が取れていないだけでなく、被害に遭った可能性のある情報が寄せられている人だ」と犠牲者が増える恐れを示唆する。
 他にも、町外や親戚宅に自主的に避難するなどして、連絡が取れない住民がいるとみられる。
 通信環境の悪化や町内の道路が寸断されていることも、被災状況の把握を困難にさせている。
 NTT東日本岩手支店によると、6日までに岩泉町内8地区の通信ビルが被災し、最大4750回線が通話不能になった。復旧が進んでいるが、同日午後6時現在、2地区220回線が影響を受けている。
 道路状況は6日午後6時現在、町内の国道2路線で計3カ所、県道3路線で計3カ所が全面通行禁止になっている。町道も通行禁止が多い。
 ある町職員は「道路が復旧していない状況で、どこに被災家屋があるのかどうか分からない。固定電話がつながらないと、携帯電話を持たない高齢者の把握は難しい」と話した。


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2016年09月07日水曜日


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