岩手のニュース

<台風10号>小本川水位上昇 報告されず

 岩手県岩泉町の小本川の氾濫で、町担当者が避難勧告の発令基準に当たる水位に達したことを把握しながら住民からの電話対応に追われ、発令手続きをしていなかったことが6日、分かった。伊達勝身町長にも報告していなかった。勧告が出されないまま川は氾濫し、同町乙茂の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」で入所者9人が死亡した。
 町によると、8月30日午後5時20分、町災害警戒本部の担当者が「楽ん楽ん」から約3キロ下流の小本川の水位観測所で「氾濫注意水位」の2.5メートルに到達したことを確認した。県からも連絡があった。
 町地域防災計画は、小本川の避難勧告基準となる水位を2.5メートルに設定。直ちに発令する必要があったが、川の増水などを訴える住民からの電話対応で作業ができず、警戒本部内で情報共有もされなかった。
 町は氾濫に備えて全域に避難準備情報を出したが「楽ん楽ん」側は準備情報の定義を知らず、入所者を避難させなかった。運営する医療法人社団「緑川会」の佐藤弘明常務理事は「勧告や指示が出たら避難すればいいと考えていた」と話しており、勧告が出ていれば難を逃れた可能性がある。
 伊達町長は「十分な情報共有を前提に防災対策を考えていたが、なされなかった。まさに私の責任だ」と釈明した。


関連ページ: 岩手 社会

2016年09月07日水曜日


先頭に戻る