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<台風10号>岩泉町 集落孤立長期化の恐れ

入所者9人が犠牲になった「楽ん楽ん」(中央)。入り口に白い献花台が設けられ、現場周辺には今なお、大きな被害の爪痕が残る=6日午前10時30分ごろ、岩手県岩泉町乙茂

 岩手県内で16人が死亡した台風10号豪雨は6日、発生から1週間となった。被害が甚大だった岩泉町では443人が避難所生活を強いられている。道路寸断で孤立状態となっている集落の一部は道路復旧に数カ月かかる見通しとなり、孤立が長期化する恐れがある。県内では依然、同町と宮古市の計7人の安否が分かっておらず、県警などが捜索を続けた。岩泉町内では各地で黙とうがささげられ、犠牲者の冥福を祈った。
 県によると、これまでに岩泉町で15人、久慈市で1人の死亡が確認された。岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」で亡くなった9人を含め、13人が70〜90代の高齢者だった。
 安否が確認されていない人は、岩泉町の男女3人ずつと宮古市の男性1人。災害に巻き込まれた可能性があるとみられる。
 岩泉町で孤立状態となっている13集落のうち、町役場から南に約5キロの鼠入(そいり)、岩泉地区の4集落は孤立状態が長期化する見込み。集落に通じる道路の損傷が激しいためで、県は復旧に数カ月かかるとみている。
 安家(あっか)地区などほかの集落では、9月中に道路が復旧するめどが立った。孤立状態の集落の住民は、現在の321人から17日までに220人に減る見通し。町は孤立集落の住民に避難所への移動を呼び掛ける。
 久慈市は5日夜、自衛隊に撤収を要請した。道路復旧が進み、集落の孤立状態は来週中にも解消される。
 岩泉町は住民の罹災(りさい)証明の受け付けに向け、被害家屋の実態調査に入った。水道は6日までに580戸で復旧したが、2966戸で断水が続く。東北電力によると、6日夜現在の町内の停電は約800戸で復旧見通しは立っていない。
 同町乙茂の「楽ん楽ん」では同日朝、施設関係者が献花台の前で手を合わせた。岩泉町役場でも職員が黙とうした。伊達勝身町長は「1週間たったとはとても思えない。本当に忍びない。残念で申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と述べた。


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2016年09月07日水曜日


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