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<台風10号>岩泉ヨーグルト 工場大打撃

土砂や流木が流れ込み工場設備に被害が出た岩泉乳業の本社工場=7日、岩手県岩泉町

 「岩泉ヨーグルト」などを製造する岩手県岩泉町乙茂の「岩泉乳業」が台風10号豪雨で被災し、操業停止が続いている。同社の工場は周辺地域の生乳を集約する施設でもあるため、地域の酪農産業全体への打撃となっている。関係者は一日も早い操業再開に向け、復旧作業に取り組む。
 8月30日の豪雨による小本(おもと)川の氾濫で、同社の本社工場と第2、第3工場は全て浸水した。本社工場は、入所者9人が亡くなった高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」に隣接している。
 同社によると、製品や生乳約800万円分が被害に遭った。タンクなどの機械や建物の修理費用を含めると、復旧に10億円以上がかかる見通しだ。
 生乳を2日間かけて低温発酵させたヨーグルトは濃厚な味わいで、全国に出荷されている。昨年は約13億4000万円を売り上げた。操業停止が長引けば、1日約400万円の売り上げを失うことになる。復旧までに少なくとも数カ月を要するという。
 同社の工場は周辺地域の生乳を集約し、ろ過や冷却をする「コールドセンター」の機能も果たしていた。宮古市、山田町、岩泉町、田野畑村から1日約15トンの生乳を受け入れてきた。操業停止は地域の酪農産業全体に影響する。
 新いわて農協(滝沢市)によると、一時41軒の酪農家が出荷を停止し、数十トン以上の生乳が廃棄された。道路が復旧した地域の生乳は別のコールドセンターに出荷を再開したが、1.5倍以上のコストがかかるという。
 同農協畜産酪農課の立花広征課長補佐は「岩泉乳業は地域の酪農の支え。一日も早く復旧できるよう協力は惜しまない」と話す。
 岩泉乳業の山下欽也社長(59)は「地域の酪農家と消費者をつなぐ役割がある。つくり上げてきた地域ブランドを守るため、関係者一丸となって復旧させたい」と決意を語る。


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2016年09月08日木曜日


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