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<大雨接近>岩泉町民「またか、無事過ぎて」

台風13号が接近する中、豪雨被害の復旧が進まない小本川周辺=7日午後1時50分ごろ、岩手県岩泉町

 台風13号の接近に伴い、岩手県に再び激しい雨が降る恐れが強まった7日、台風10号豪雨の爪痕が残る岩泉町では避難住民らに不安が広がった。孤立状態となった12集落には住民449人のうち約300人がとどまる。多くが山間地で、県などは土砂災害への警戒を強め、町は再度の避難指示の検討に入った。被災者は恨めしそうに空を見上げ、新たな被害が出ないことを祈った。
 「台風13号が接近しています。十分に注意してください」。増水した安家(あっか)川の濁流に襲われた安家地区。1階部分が大きく損壊した家々の間を地元消防団のポンプ車が回り、警戒を呼び掛けた。
 多くの住民は連日、家屋の泥をかき出し、汚れた衣類や家具、電化製品を運び出す作業に追われる。
 パート伊藤多喜子さん(57)は「室内の泥は重くて手を付けられない状態。雨が降れば外での作業ができなくなり、ますます長期戦になる」と嘆く。
 避難所の安家生活改善センターでは26人が暮らす。町臨時職員下屋敷あやこさん(66)の自宅は無事だったが、道路の寸断で戻れていない。「強風で家が壊れるかもしれない。ブレーカーを下げずに避難したので火事も怖い。無事に過ぎ去ってほしい」と願った。
 孤立状態となった安家地区の松ケ沢集落に住む建設業高舘正利さん(47)は自宅が床下浸水の被害を受け、停電と断水が続く。発電機と沢水でしのぐ生活を強いられており、「台風の影響で停電や断水の復旧予定に遅れが出たら困る」とため息をつく。
 盛岡地方気象台によると、県内は8日夜遅くから9日未明にかけて非常に激しい雨が降る見込み。9日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で100〜150ミリ。被災者にとって不安の時が続く。
 台風10号豪雨の際、自宅近くで土石流が発生した同町尼額(あまひたい)の無職山崎和子さん(72)は「まだ斜面の途中に土砂や岩石が大量に残っている。大雨で崩れてこなければいいが…」と心配そうに話した。
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 台風13号は8日、列島の南海上を北寄りに進み、東海沖で温帯低気圧に変わった。この低気圧と前線の影響で、西日本から東日本にかけて局地的に非常に激しい雨が降った。北日本でも8日午後から9日にかけて大雨となる恐れがあり、気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、河川の氾濫に警戒するよう求めた。
 気象庁によると、温帯低気圧は北東に進んでおり、8日夜に福島県付近を通過し、9日夜には北海道の根室半島付近に達する見込み。台風10号などで甚大な被害を受けた岩手県や北海道でも大雨になる恐れがある。


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2016年09月08日木曜日


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