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<大雨被害>岩泉住民避難 不安な一夜

大雨の予報を受け、橋に流れ着いた流木の撤去が急ピッチで進んだ=8日午前10時25分ごろ、岩泉町安家

 台風10号豪雨の深い爪痕が残る岩手県で、再び雨脚が強まった。被害が甚大だった岩泉町は8日、避難指示や勧告を出し、二次災害への警戒を呼び掛けた。浸水家屋の泥かきや後片づけを切り上げ、避難所に向かう住民。県や町は新たな氾濫を防ごうと応急対策に全力を挙げた。夜になって雨の勢いは激しさを増し、住民らは不安な一夜を過ごした。
 避難勧告が発表された午後3時、町役場周辺では発令を伝える防災無線が鳴り響いた。
 避難所の町民会館には続々と住民が駆け付けた。台風10号で被災して避難生活を送る人は、被害に遭った自宅の後片付けを中断し、避難所に戻った。
 町中心部の自宅が被災した無職男性(80)は「驚いて帰ってきた。堆積した泥で川底が浅くなっているため、少しの増水でも再び被害を受ける可能性があり心配だ」と話した。
 同町尼額(あまひたい)の高齢者グループホーム「グループホームいわいずみ」は勧告を受け、入所者8人を高台にある別の施設に車で避難させた。町のボランティアセンターは雨が強まった午後1時に活動を中止。県警や消防による行方不明者の捜索も勧告発令後に中断した。
 町北部の安家(あっか)地区では、二次災害に備えた作業が急ピッチで続いた。町は安家川に架かる橋に流れ着いた大量の流木を重機で撤去した。流木によって川がせき止められ、氾濫する危険があるためだ。
 道路寸断により孤立状態が続く同地区松ケ沢集落には、被災を免れた住民が残る。集落では昼前から雨が降り始めた。
 被害がなかった自宅にとどまる会社員真ケ口(まっかぐち)藤夫さん(60)は「こんな天気だから万が一、何かあってもヘリコプターは飛ばない。家は安全な場所だし、下手に移動しない方がいい」と夜に備えた。
 電気や水道は止まったまま。電話は一部で復旧したが、通信状態は良くない。住民が天候や避難に関する情報を集める手段は限られる。民生委員の中山則子さん(69)は「避難指示が出た場合、町からどう伝えられるのか分からない」と戸惑いの表情を見せた。


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2016年09月09日金曜日


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