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<宮城豪雨1年>急激な水位上昇 まるで津波

 宮城県大和町吉岡の運転代行業の男性(49)は、川からあふれた水にのまれそうになったが、看板の柱にしがみつき難を逃れた。「押し寄せた黒い水は映像で見た津波と一緒だった」
 昨年9月10日午後11時すぎ、同僚と軽乗用車で町内を走っていた。予定したルートは通行止めで、迂回(うかい)路も20センチほど冠水。2人はコンビニの駐車場に待避したが、沼のようだった。歩いて役場に逃げる女性が見えた。「俺たちも」。車を降りると膝まで水があった。
 役場は150メートル先。ただ水は腰の位置に達し、もう歩けなかった。「つかまるぞ」。駐車場角の看板の柱だけがぼんやりと見えた。
 車を降りて数分で水位は約140センチに。柱の台座に足を掛けると胸から上が水面に出た。その状態で不安と闘った。
 3時間後、同僚の携帯電話が消防とつながった。駆け付けた消防隊員に助け出された。役場に着いたのは翌日の午前4時だった。
 男性は振り返る。「川が氾濫すれば内陸でも津波のような被害に遭う。災害なんて、いつどこで起きるか分からないと知った」


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2016年09月10日土曜日


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