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<杜の都のチャレン人>日本の文化を海外に

仕事場でアロハシャツの仕上がり具合を確認する桜井さん=仙台市太白区中田

◎中古着物をアロハにリメークして販売へ 桜井鉄矢さん(35)

 お役御免となった着物に、再び光を当てたい。そう考えてアロハシャツとしてよみがえらせ、「サムライアロハ」のブランド名でこの秋、インターネット販売を始める。
 市場に出回る中古着物は推計2億着にも上る。新品時の値段で数万円のものから100万円を超すものまでさまざまだ。「誰もが着やすいアロハにリメークすれば、世界中に売り込んでいける」。経営する中古ブランド品などの買い取り販売「仙台買取館」(仙台市太白区)の新規事業として、1着2万〜4万円で販売する。
 戦前、ハワイの日系移民が着物から作ったというアロハシャツの起源の一説をヒントに、昨年夏ごろから事業の構想を練ってきた。着物を取り巻く慣習の壁にぶつかり、試行錯誤を重ねた。
 呉服業界では、着物にはさみを入れることをタブー視する。縫い目をほどき、裁断する作業の請負先を探して呉服店を回ったが、門前払いが続いた。
 それなら、と仙台近郊に住む高校時代の同級生ら女性7人に内職を持ち掛けてみた。育児中で、保育所に空きがないため働きたくても勤めに出られない彼女たちは、提案に飛び付いてくれた。
 シャツに仕上げる縫製作業は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で活気を失っていた南相馬市の縫製業「三恵クレア」に依頼。「夢のある取り組みだ」と引き受けてくれることになった。
 こうして実現にこぎ着けた事業プランは昨秋、復興庁のビジネスコンテストで優秀賞を受賞した。被災企業の活性化と日本文化の海外展開を結び付けた点などが評価された。「不用品のリサイクルに被災企業支援、保育所の待機児童対策。結果的に世の中の課題解決にもつながる取り組みになった」
 世間の評価はこれからだ。「本年度はまず300着の売り上げが目標」。自信がみなぎる。(智)

<さくらい・てつや>81年岩沼市生まれ。明治大経営学部卒。中古ブランド品などの買い取り販売大手「大黒屋」(東京)に勤務していた時に東日本大震災が発生。帰郷を決意し、12年5月に仙台買取館を興した。仙台市青葉区在住。


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2016年09月10日土曜日


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