宮城のニュース

大雨で国道3回冠水 牧草地除染で保水力低下

土のうやブルーシートで応急の排水対策を講じた牧草地の除染現場=8月31日、宮城県白石市福岡深谷

 8月に続いた台風の大雨の影響で、宮城県白石市福岡深谷の国道457号が土混じりの水で冠水し、3回も全面通行止めになった。冠水場所近くの白石牧場の牧草地では、東京電力福島第1原発事故に伴う除染作業の最中で、牧草地からの排水量の増大が原因とみられる。牧場の管理者は、放射性物質の流出や下流域での鉄砲水を引き起こした可能性については否定する。
 現場近くの牧草地約45ヘクタールの除染は今年6月に開始。8月の台風通過時は土がほぼむき出しで、保水力が乏しい状態だった。管理するみやぎ農業振興公社は「今までにない豪雨。地元の生活道路に迷惑をかけてしまった」と冠水について近隣の住民代表らに陳謝した。
 県大河原土木事務所によると、現場付近の国道457号は台風9号、10号などの大雨による冠水で(1)8月22〜23日(2)23〜24日(3)29〜31日−の3回通行止め。宮城豪雨があった昨年でも通行止めはなかった。同事務所の要請もあり、公社は大型土のうや沈殿池の設置といった応急対策を講じた。
 一方で、放射性物質の流出については、表層と下層の土を約30センチの深さで入れ替える「反転耕」を終えていたことから、「放射性物質を含む土が流出した可能性はないと考える」と釈明。ただ、近隣住民への除染着手の周知はなかった。
 公社によると、着工前の土壌の放射性物質濃度は平均1キログラム当たり97ベクレルで、今月2日に採取した側溝などを含めた土壌は平均で42ベクレル。担当者は「元々濃度は高くなく、除染とはいえ、通常の牧草地の更新作業という考え方だった」と周知しなかった理由を説明する。
 牧場の下流域では、沢水を流す導水管が台風7号の大雨で詰まり、ダム湖のように水がたまり8月22日夜に決壊。鉄砲水が起き、住宅1戸が全壊、橋桁の一部が流された。
 鉄砲水発生の原因になった可能性について公社は「流れたのは細かい土。管をふさぐ直接の原因になるとは言えない」との見解だ。


関連ページ: 宮城 社会

2016年09月11日日曜日


先頭に戻る