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<台風10号>岩泉小中高 12日臨時休校解消

 台風10号豪雨の被害が甚大だった岩手県岩泉町の学校のうち、最後まで臨時休校が続いていた安家(あっか)小・中学校と岩泉高が12日、授業を再開する。子どもたちの中には、道路寸断で通学できなかったり、遠回りで往復に時間がかかったりするケースもなお残る。
 安家小・中は町北部の安家地区にある唯一の学校。児童11人、生徒7人の計18人が一つの校舎で学ぶ。用務員の佐々木光子さん(64)は「みんな明るくてはつらつとした子どもたち。きれいな校舎で迎えたい」と泥で汚れた玄関をモップで拭いた。
 台風が接近した8月30日は午前授業で終え、以降は臨時休校が続く。校舎に被害はなかったが、学校に通じる橋に流木が堆積。8日の大雨の際には、近くの沢水が校庭にあふれた。
 教職員11人は児童生徒の安否確認に駆け回り、2日までに全員の無事を確認した。電気、水道も復旧。給食センターが断水で休止中のため、14日から提供する給食は教職員が作る。
 再開準備は進むが、児童生徒の登下校には支障が残る。18人のうち6人は避難所からの通学となる見通し。学校への道路が寸断したままの半城子(はんじょうじ)集落の2人は、保護者が久慈市を経由し、約40分かけて車で送迎するという。
 加藤良校長は「地区は被災の跡が生々しい。子どもたちに寄り添っていきたい」と話す。
 町唯一の高校で中心部にある岩泉高は、8月30日が臨時休校だったため14日ぶりの授業再開となる。144人全員の無事を確認したが、全員が学校にそろうには時間がかかりそうだ。
 町内西部で続く国道455号の通行止めで、西部に住む生徒約30人は通学路が寸断されたまま。道路が復旧するまで自宅待機とするという。中野達博副校長は「被災した生徒も多く、スクールカウンセラーによる対応も検討する」と話す。

◎馬立保治さん/金婚式楽しみに

 8日に身元が判明した岩手県岩泉町袰綿(ほろわた)の馬立(まだち)保治さん(78)は農業の傍ら、トラック運転手をしていた。退職後も「百姓に定年はない」と畑で汗を流した。
 8月30日夕、牛に餌をやろうと妻恵喜(えき)さん(69)と家から出た直後、小本川の濁流に2人とも流された。恵喜さんは川岸の木の枝につかまり、保治さんに手を伸ばした。何とか左手をつかみタオルで枝にくくり付けたが、流れてきた牧草ロールが保治さんにぶつかり、見えなくなった。
 アユ釣りが趣味。今年結婚50年目で、町に招かれた合同金婚式を楽しみにしていた。恵喜さんは「不自由のない暮らしをさせてもらった。手をつないだときは2人で帰れると思ったのに。じいさんを助けてあげたかった」と涙ぐんだ。


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2016年09月11日日曜日


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