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<震災5年半>災害公営住宅 65歳以上38%

岩手、宮城、福島3県で整備が進む災害公営住宅。地域全体より高齢化率が高く、コミュニティーづくりが課題となる=宮城県石巻市新蛇田地区

 東日本大震災の被災者向けに整備された岩手、宮城、福島3県の災害公営住宅の入居者3万4597人のうち、65歳以上が占める高齢化率は38.9%に上ることが10日、河北新報社の調べで分かった。3県全体の割合に比べ11.2ポイント高い。1人暮らしの高齢者は全1万7187世帯の24.6%に上り、孤独死は少なくとも19人が確認された。災害公営住宅の整備が進む中、高齢者の孤立防止やコミュニティーづくりの重要性が改めて浮き彫りとなった。
 3県と各県市町村別(入居者100人以上)の高齢化率の上位は表の通り。県別では岩手と福島が40%を超え、市町村では塩釜市が最も高い。各県の高齢化率を各県全体と比べると、岩手が10.3ポイント、宮城が12.2ポイント、福島が12.0ポイントそれぞれ高かった。
 災害公営住宅の高齢化率は、プレハブ仮設住宅の割合(宮城41.7%、福島42.9%、岩手は統計なし)とほぼ同じで、ついのすみかを得た後も、高齢被災者が置かれている状況は仮設住宅と変わらないことがうかがえる。
 3県の全入居世帯のうち、独居世帯の割合は33.6%に上る。入居世帯に占める高齢者の独居率は24.6%。県別は岩手27.1%、福島26.4%、宮城23.2%の順だった。
 全戸数の80.7%は集合住宅タイプで、多くの自治体が住民同士の交流促進や見守りの強化を課題に挙げる。各自治体が取り組む対応は「自治会組織の設立支援」「生活相談支援員による訪問」などが目立った。
 災害公営住宅で誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」は宮城が11人で最も多く、岩手6人、福島2人だった。生活保護を受給するのは3県で少なくとも772世帯。貧困対策の必要性も大きくなるとみられる。
 災害公営住宅の整備率は3県で計59.2%(1万7445戸)。県別では宮城が64.0%、岩手57.3%、福島50.6%。居住する高齢者は1万3455人で、内訳は岩手2306人、宮城8122人、福島3027人。

[調査の方法]災害公営住宅を建設する岩手、宮城、福島3県の50市町村と、県営で整備する岩手、福島両県の計52自治体に7月下旬、アンケートを送付し、全自治体から回答を得た。記入の基準日は主に6〜8月。市町村数は岩手12、宮城21、福島17。質問は13項目。高齢化率の自治体別上位は複数の市町村に整備する県営を除き、入居者100人以上の市町村を対象にした。


2016年09月11日日曜日


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