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<震災5年半>入居高齢化率 都市部と差

 東日本大震災の被災者が入居する岩手、宮城、福島3県の災害公営住宅に関する河北新報社の調査によると、入居者の高齢化率は38.9%。全52自治体のうち、地域全体より10ポイント以上高いのは19自治体、10〜5ポイント以上は15自治体だった。地域全体を上回ったのは42自治体で全体の80.8%を占めた。
 複数の市町村で整備する県営を除き、入居者100人以上の32市町村で見ると、高齢化率が最も高いのは宮城県塩釜市の58.0%。宮城県女川町55.1%、福島県南相馬市53.5%、宮城県七ケ浜町50.1%と50%以上は4市町。40%台は13市町村、30%台も13市町村あった。
 最大被災地の宮城県石巻市は36.8%(市全体比7.0ポイント高)。東京電力福島第1原発事故の避難者が多い福島県いわき市は36.8%(同8.4ポイント高)だった。
 地域全体との差も最大は塩釜市(26.7ポイント高)。入居者数が最多の仙台市は34.6%と平均を下回るが、市全体より12.4ポイント高い。宮城県名取市も21.8ポイント高く、若い世代が多い仙台と周辺の都市部でも際立つ。地域の中で災害公営住宅を孤立させない策も迫られる。
 塩釜市は「若い世代ほど自力再建し、高齢者は災害公営住宅に移る傾向がある」と説明。整備済みの住宅は離島や交通の便のいい駅前にあり、高齢化率を押し上げた。
 17.7ポイント高の女川町は「震災前に3世帯同居だった世帯が高齢者だけで住むケースがある」と話し、世帯分離の進行も高齢化率を押し上げる要因だとした。
 逆に最も低いのは福島県新地町の25.1%。続いて宮城県涌谷町28.2%、東松島市30.8%。
 入居者100人未満では23人の栗原市が高齢化率69.6%で最高だった。
 1人暮らしの高齢者世帯の割合は、主に宮城県南三陸町の被災者が暮らす登米市の31.7%が最高。岩手県田野畑村の30.6%が続く。25%以上は15市町村。
 高齢者対策では、多くが生活支援員による見守りや自治会活動の支援を挙げた。「緊急通報システムの設置」(気仙沼市)「バリアフリー化」(福島県飯舘村)など機器やハード面の対策もあった。
 孤独死19人の内訳は石巻市、多賀城市など5市町が各2人、岩手県営と8市町が各1人。


2016年09月11日日曜日


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