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<南海トラフ>情報提供の在り方議論

福良地区の地図を囲み、津波避難訓練の反省点や成果を話し合う参加者

 南海トラフ巨大地震を想定した津波避難訓練の後、参加した地元関係者や東日本大震災の語り部ら16人が兵庫県南あわじ市福良地区公民館に集まり、訓練で浮かび上がった課題を話し合った。

 観光船からの避難誘導役が「津波到達まで50分」と時間を挙げて呼び掛けたのに対し、参加者からは「時間があるなら荷物を取りに戻りたいという人が出てくる。1分でも早く避難してもらうのが基本だ」と危惧する声が上がった。一方で「急がせるとパニックになりかねない」との指摘もあり、情報提供の在り方を巡り活発に意見を交わした。
 観光船運航会社の鎌田勝義社長(50)は、土地勘がなく互いに面識がない上、時季によって入り込み数に大きな幅がある−といった観光客避難の難しさに言及。「一本道で分かりやすい避難場所を設定し、シンプルな指示を心掛けている」と説明した。
 避難途中、車での避難などを求める観光客役に誘導役が歩いて向かうよう諭す場面も。兵庫県立大大学院生の中村和寛さん(24)は「実際に言い張られたら説得するのは難しいだろう」と話した。
 観光客の避難対策に関する議論は多岐にわたり、家屋倒壊に備えた安全な避難ルートをどう確保するかや、避難生活が長期化した際に住民とどう共存するかなども話題になった。
 宿泊客の安全確保策については、岩手県大槌町の観光ホテルの千代川茂社長(62)が「昼は外の高台、夜は(6階建てホテルの)屋上と避難場所を分けている」と紹介した。
 福良町づくり推進協議会の原孝会長(71)は大学と連携した地域防災活動に触れ、「若い人や外部の人の意見を取り入れて津波対策に生かしたい」と強調。減災・復興支援機構(東京)の木村拓郎理事長は「地域ぐるみで防災リーダーを育ててほしい」と述べた。


2016年09月11日日曜日


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