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<災害公営住宅>生活保護割合 平均の2.3倍

 東日本大震災の被災者が暮らす岩手、宮城、福島3県の災害公営住宅で、入居世帯の生活保護受給割合(100世帯当たりの世帯数)が各県平均の1.4〜2.7倍に上ることが12日、河北新報社の自治体調査で分かった。災害公営住宅の整備が進む中、専門家からは特に高齢入居者向けの貧困対策の必要性を指摘する声が上がる。
 調査は災害公営住宅を建設する3県の50市町村と、県営で整備する岩手、福島両県の計52自治体を対象に実施。県別の生活保護受給状況は表1の通り。
 入居者の受給割合は、厚生労働省の被保護者調査と、住民基本台帳に基づく世帯数(ともに16年1月時点)から算出した県平均と比べ、3県合計で2.3倍高かった。県別では岩手が2.7倍、宮城が2.4倍、福島が1.4倍高い割合だった。
 受給世帯がゼロだったのは14市町村と福島県営の住宅。うち10市町村は入居者100人未満だった。多賀城市など4市村は受給世帯数を明らかにしなかった。
 受給入居者が多い市町村の上位(表2)を見ると、受給者数は人口や入居者の規模とほぼ比例する。受給者の多い市町村は、入居者の高齢化率が地域全体をかなり上回っている特徴があった。
 受給者が最多の仙台市は災害公営住宅の高齢化率(34.6%)が市全体より12.4ポイント、2位の石巻市(36.8%)は7.0ポイント、4位いわき市(36.8%)は8.4ポイントそれぞれ高い。入居者の高齢化率が高くなるほど経済的に困窮する人が増える可能性が高い。
 時の経過とともに災害公営住宅の高齢化と貧困が深刻化する事態は、発生から21年たつ阪神大震災の被災地でも見られる。
 兵庫県によると、県内の災害公営住宅の高齢化率は15年が50.8%。記録の残る01年と比較し10.3ポイント上昇した。1人暮らしの高齢者世帯の割合も46.9%に達する。
 兵庫で災害公営住宅の訪問活動に取り組むNPO法人よろず相談室(神戸市)の牧秀一理事長(66)は「神戸でも入居者の生活保護受給率は地域全体より高い。震災の被災地でも、高齢の被災者が家賃で苦しまないよう方策を考えなくてはならない」と指摘する。
 神戸では災害公営住宅の高齢化率と死亡率が通常の公営住宅の2倍という。牧さんは、高齢入居者を支えるNPOなど民間の活動を行政が後押しする大切さを強調。「今も孤独死があり、自殺者も相次いでいる。東北でも今後、経済的支援と並行した精神的な支えが重要になる」と話す。


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2016年09月13日火曜日


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