宮城のニュース

アイリッシュハープの優しい音色 被災地に

美しい音色のアイリッシュハープを演奏する月輪さん=8月4日、角田市総合保健福祉センター

 アイリッシュハープを専門とする東北唯一の奏者、月輪まり子さん(41)=宮城県角田市=が、東日本大震災を経て活動の幅を広げている。被災地に招かれて演奏を重ねる中で音楽の力に改めて気付き、「必要としてくれる人に音楽をもっと届けたい」との思いを強くした。15日には福島市の旧日銀福島支店長役宅「御倉邸」である観月会に出演し、素朴で優しい音色を奏でる。

 懐かしさを誘う旋律のアメージング・グレイス、エーデルワイス。角田市総合保健福祉センターが8月4日に開いたコンサートで演奏すると、多くの観客がうっとりと聴き入った。
 月輪さんは東京出身。高校を卒業し英国に留学。北アイルランドのクイーンズ大で民族音楽学を研究中、アイリッシュハープの魅力を知った。
 05年に帰国。父の出身地の角田に戻った両親と同居した。ハープ教室の講師をしながら、地元の小劇場や隣接する宮城県山元町の障害者施設でコンサートを開いた。評判が次第に広がり、演奏を頼まれる機会も増えていった。
 そうした中で起きた震災が転機となった。発生から間もなくして山元町役場に開設した臨時災害FM局「りんごラジオ」から出演依頼があった。演奏場所も役場の一角。死亡届を提出するカウンターの目の前だった。次々と訪れる遺族を前に「自分が弾いていてよいのか」と自問しながら演奏したが、足を止めて聴く被災者がいた。
 12年には仙台市の劇団シェイクスピア・カンパニーが沿岸部を回った公演に5回参加。「音楽には現実を忘れさせ、人をほっとさせる力があると改めて感じた」と振り返る。
 月輪さんは「人に喜んでもらいたいと願って始めた音楽。聴きたいと言ってくれる方に音を届け続けたい」と話す。
 御倉邸での観月会は午後6時30分から。無料。連絡先は福島市公園緑地課024(525)3765。


2016年09月14日水曜日


先頭に戻る