宮城のニュース

<楽天>松井稼衰えぬ向上心 対左の切り札

日本ハム戦で二塁打を放つ松井稼。捕手大野=11日、コボスタ宮城

 東北楽天の松井稼頭央外野手が対左投手の切り札として存在感を示している。8月上旬に1軍復帰後、左投手の登板試合で起用が増え、対左は打率3割5分3厘の成績を残す。現在1軍に6人いる外野手の中で、右打者は両打ちの松井稼のみ。「与えられた機会で結果を出すだけ」と残り17試合、大リーグ経験もある40歳がチームのラストスパートに全力を注ぐ。
 この1カ月、左投手が先発した6試合のうち5試合で先発出場。なぜか日曜日の相手チーム先発に左腕が多いため、「サンデー稼頭央」が定着しつつある。1番中堅で出場した4日のソフトバンク戦(コボスタ宮城)は一回に左腕山田大樹から左前打を放つと、すかさず二盗を決めて先制機を演出した。梨田昌孝監督も「左投手対策として使っている。走塁を見ても年齢を感じさせないスピードがある」と変わらぬ信頼を寄せる。
 夏ばてしてしまうような時期に力を発揮できているのは、日々の鍛錬のたまもの。試合前の練習では意識的に内野ノックを受ける。「足を細かく動かすことで、瞬発力を維持している」と言う。体力の衰えを防ぐため、「一日一本でも多く全力でダッシュをする。その積み重ねが大切」と一切の妥協を許さない。
 東北楽天に移籍した2011年から主に遊撃手として不動のレギュラーだった。外野手転向2年目の今季は開幕直後に負った右膝のけがで出遅れた影響もあって52試合出場にとどまり、不本意な部分もある。「もちろん今の状況に甘んじるつもりはない」と認識した上で、「途中出場は、気持ちの高め方や結果を出す難しさを感じる。学ぶことが多い」と、今までなかった役割にも持ち前の探究心でこなそうとする。
 全ては応援してくれるファンのためだ。約2カ月ぶりに1軍に戻った8月6日の西武戦。七回に代打で登場すると、本拠地のファンから盛大な「稼頭央コール」が巻き起こった。「想像を超える声援でうれしかった。『まだ頑張れよ』という意味なのかな」
 球界で同世代の選手は黒田博樹(広島)や井口資仁、福浦和也(ロッテ)らと少なくなったが、来季も現役を続ける意思は揺るがない。「思うように走れるうちは現役でいたい。一年でも長くプレーするため、毎年が勝負だと思っている」。周囲に「レジェンド」と扱われる名選手、その存在感は年齢を重ねても衰えない向上心が支えている。(佐々木智也)


2016年09月14日水曜日


先頭に戻る