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<カンボジア育蹴記>母国開催が成長を加速

U−16東南アジア選手権で準決勝進出を決め、喜ぶカンボジア代表の面々=7月19日、プノンペンのオリンピックスタジアム
<いのうえ・かずのり>仙台大大学院修了。ジェフユナイテッド市原育成部の仙台スクールでの指導を経て96年にベガルタ仙台の前身であるブランメル仙台のジュニアユース、ベガルタ仙台のスクールコーチなどを務め、15年6月に営業部営業課長に就任。石巻市出身。44歳。

 7月10〜23日にU−16(16歳以下)の東南アジア選手権が、カンボジアの首都プノンペンで開催され、11カ国が競い合いました。
 カンボジアでサッカーの国際試合は国民的関心事。私が2月から監督を務めるU−16代表は準決勝でベトナムに0−1で敗れ、決勝進出を逃しましたが、他の年代も含めて大きな国際大会での4強入りは初とのこと。関係者、サポーターの皆さんは喜び、選手の努力をたたえてくれました。

 母国開催の大会に向け、カンボジアサッカー連盟は日本、ベトナム、タイでの事前キャンプなど、代表チームに今までにない強化策を用意してくれました。われわれ指導陣も選手の能力を最大限に引き出せるよう準備しました。しかし、選手たちが一番成長したのは大会期間中だったと思います。
 カンボジア代表は全6試合とも大勢の国民に応援されました。全試合、テレビの生放送だけでなく、翌朝には再放送もありました。スタジアムには2万人以上のサポーターが訪れ、ともに敗れた準決勝のベトナム戦、グループリーグのタイ戦は5万人以上の声援を受けました。
 試合前、数万人の国歌斉唱を聴いて頑張らない選手はいません。期待に応えようと必死に戦っている時間が彼らを急激に成長させたと思います。大会前と比べ、大会終盤のプレーは同じ選手とは思えないほど良くなりました。

 トレーニング内容や施設、設備の充実を図るだけでなく、実力以上の力を発揮させる雰囲気、環境が選手の成長を加速させることを強く実感しました。子どもたちの「やる気」「本気」を引き出すには周りの大人たちのサポートが重要になると思います。
 大会最後の記者会見で、カンボジアの準決勝進出は選手やスタッフだけでなく、連盟、メディアの関係者、応援してくれた国民みんなで勝ち取れたと伝えました。彼らが監督の私よりも選手たちを成長させてくれました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。


2016年09月14日水曜日


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