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<台風10号>岩泉 生活道路まだ爪痕

運行を再開した町民バスで登校する岩泉高の生徒たち=13日午前7時55分ごろ、岩泉町松橋

 台風10号豪雨は13日で発生から2週間となり、被害が集中した岩手県岩泉町では国道など主要道路がほぼ復旧した。通学や通院の足を支える町民バスは同日、運行を再開し、早速、高校生やお年寄りが乗り込んだ。山間部では町道や林道の4割が通行できない状態が続く。全面復旧まで約1カ月かかる見通しで、生活再建にはなお時間を要する。
 岩泉町内の主要道路の復旧状況は地図の通り。東西を貫き、盛岡市につながる国道455号は落合−二升石(にしょういし)間の通行止めが12日に解除され全通。国道340号も同日、同町大渡−宮古市押角(おしかど)間が開通した。
 町から久慈市につながる国道281号も、同市沼袋−同市戸呂(へろ)町間で13日、通行止めが解除された。
 道路復旧に伴い公共交通も回復した。町民バスは同日、455号で町西部と中心部を結ぶ「国境・上荒沢口線」の運行を再開。同町門名目入からバスで岩泉高に登校した2年庄司愛美さん(17)は「学校が再開した12日は登校できずもどかしかった。やっと日常が戻った感じ。買い物も便利になった」と喜んだ。
 町唯一の総合病院「済生会岩泉病院」は、道路寸断で外来患者が減っていた。村田幸治事務長(62)は「休止していた岩手医大などからの診療応援も順次再開したい。患者の増加に対応していく」と話した。
 日本酒「龍泉八重桜」を造る同町の泉金酒造も13日、出荷を再開した。八重樫義一郎社長(60)は「盛岡市だけでなく、宮古市や久慈市への出荷ルートも回復した。品質を落とさず小売店に届けられる」と安堵(あんど)の表情を見せた。
 山あいの生活道路にはまだ爪痕が残る。主要道路と集落を結ぶ町道や林道計約250路線の4割は、崩落や土砂崩れで通行できない。町によると、道幅が狭く勾配が急な場所が多いため、土砂を撤去する重機が容易に入れないという。
 同町浅内の大沢集落から中心部の町民会館に避難中の主婦佐々木とき子さん(64)は「国道340号は開通したが、自宅までの道路が崩落して帰るに帰れない。集落がどうなっているか心配」と不安げに語った。


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2016年09月14日水曜日


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