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<台風10号>流入泥と格闘 人手が足りない

自宅敷地内に流入した泥をかき出す住民=13日午前11時50分ごろ、岩泉町安家

 大量の泥が被災住民の前に立ちはだかる。岩手県岩泉町では13日も、住民が自宅や敷地内に流入した泥の撤去作業に追われた。養魚場では池に泥が入り込み、事業再開のめどは立たない。平日は災害ボランティアの姿もまばら。スコップを握る住民たちの表情に疲れがにじむ。
 一時孤立状態になった町北部の安家(あっか)地区では、住民が泥の撤去や家財道具の片付けに取り組んだ。
 自宅で豆腐店を営む大崎恵子さん(65)は、近所の人と敷地内や側溝の泥をスコップでかき出した。ボランティアの支援も数回受けたが、家の周りには約20センチ堆積した泥が残る。
 町内の道の駅などで販売していた豆腐は製造を休止。大崎さんは「まずは家を何とかしなくては。衛生面をクリアしないと豆腐は作れない」と話す。
 町中心部の住宅地でも格闘は続く。向町地区は最大で約3メートル浸水した。夫と娘2人の4人暮らしの佐藤アヤさん(79)宅は、床上約50センチまで水に漬かった。泥の撤去は一段落したが、床下の梁(はり)に青カビが付いて腐食が始まっているという。
 佐藤さんは「梁を乾燥させて消毒しなければ、床板の張り替えができない。とにかく人手が足りない。疲れがたまり、力仕事がはかどらない」とこぼした。
 同町岩泉の「岩泉養魚場」では、近くの清水川が氾濫し、大小16カ所の池に泥が流れ込んだ。養殖していたイワナやヤマメ計数万匹が泥に埋まって全滅。9日に重機と手作業で泥出しを始めたが、半分ほどしか撤去できていない。
 管理人の中瀬良八さん(80)は「水を含んだ泥は重く、スコップに絡み付く。再開まで何日かかるか、先が見えない」と語った。


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2016年09月14日水曜日


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