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えっ!カンガルー三味線 猫犬取引減で開発中

加工後のカンガルー皮を広げる梅原さん=仙台市青葉区一番町3丁目の梅屋楽器店
(参考)アカカンガルー

 仙台、秋田、山形の3市で店舗を構える邦楽器専門店「梅屋楽器店」の梅原久史さん(41)が東京芸大の「邦楽器音響研究会」の一員として、カンガルーの皮を胴に張った三味線の開発を進めている。カンガルー皮はオーストラリアが生態系維持のため「間引き」して輸出しており、研究会は猫や犬の皮に代わる素材として期待している。
 研究会は三味線奏者でもある小島直文東京芸大准教授ら演奏家6人と、小島さんの三味線の修理を担っていた梅原さんが2014年に設立。首都圏の邦楽器職人らと共に15年4月から、細さお、中さお、太さおの3種類の三味線で胴にカンガルー皮を使った試作品を製作している。
 梅原さんは皮のなめし方や張り方を試し、音の性質や波形も測定。猫皮は表面の凹凸が多く柔らかな音色だが、厚さが均一のカンガルー皮は力強く直線的な音になるという。「最も薄い皮を使う細さおはひとまず及第点。より厚い皮を使う中さお、太さおにも応用できるよう研究を重ねたい」と意気込む。
 三味線に使う猫や犬の皮は猫食や犬食の文化が残る中国などから仕入れてきたが、食文化の変化や動物愛護意識の高まりで近年は取引量が激減。20年東京五輪で日本文化への注目が高まる中、愛玩動物の皮を使うことに海外から厳しい目を向けられかねないとの懸念が開発の背景にある。
 代替素材として目を付けたカンガルーの皮は、オーストラリアで頭数制限を目的に一定数が駆除されるため安定的に確保できる利点がある。在日オーストラリア大使館は「国内のカンガルー生息数は人口の2倍以上。商業的捕獲は政府のカンガルー管理計画に照らして認可している」と話す。
 研究会は、カンガルー皮と並行して人工皮革の開発も進めている。梅原さんは「猫、犬の皮をありがたく使わせてもらうのが本来の邦楽器だが、代替素材を採用することで国際的な理解を得たい」と話す。


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2016年09月14日水曜日


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