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<原発ADR>県境格差への反発根強く

 宮城県丸森町議会がADRでの和解を承認し、町の原発事故対応は一つの節目を迎えた。ただ、風評被害の払拭(ふっしょく)や保管中の除染廃棄物の処分の課題は残る。原発事故で足踏みさせられた地域活性化策へのさらなる取り組みが求められている。
 焦点だった原発事故対策室の職員給与は、昨年1月に和解した岩手県の場合も認められなかった。岩手県の例に準じて職員の時間外手当を対象にした和解案が5月に示され、町は先に受諾方針を決定。だが、東電は、宮城県と県内の自治体、福島県のADRを控え、検討に8月末まで時間を要したとみられる。町の賠償請求は13年度以降分が残るが、今回の和解基準に沿って行われることになる。
 県境に接する丸森では、除染や賠償での福島県との格差に反発が強かった。その一つ、18歳以下の甲状腺検査費は和解で認められたが、福島側の検査は国が全面支援する。「県境で区切るべきでない」との原則論が町内では今も根強い。
 町の高齢化率は県内3位の37.3%。過疎化に悩む町はグリーンツーリズムの推進など地方創生を先取りしたが、原発事故が足かせになった。あれから5年半。一時減った移住者が再び増え始め、インバウンド(訪日外国人旅行者)誘致にも新たに取り組み始めた。町の魅力を磨き、外部に発信し続けることが重要だ。(角田支局・会田正宣)


2016年09月15日木曜日


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