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<台風10号>罹災証明発行へ岩泉調査本格化

被災住宅の浸水状況を調べる町職員=13日午後、岩泉町安家

 台風10号豪雨から半月がたった岩手県岩泉町で、浸水被害に遭った住宅の調査が本格化してきた。町は約1000棟の家屋が被災し、うち6割が全壊か大規模半壊の被害を受けたと見込む。調査が遅れれば、公的支援を受ける際に必要な罹災(りさい)証明書の発行が滞る。被災者には「生活が立ち行かなくなる」との不安が広がりつつあり、町は他市町からの応援も得て今月中の調査完了を目指す。
 町税務出納課の職員3人が13日、町北部の安家(あっか)地区に入った。住宅を1軒ずつ回り浸水の高さを計測したり、写真を撮るなどして記録。住人に聞き取り、チェックシートに書き込んだ。
 床下浸水と判定された佐藤ミツさん(80)は「他に比べれば被害はましかもしれないが、泥を出す作業は自分だけではできない。早く公的支援を受けられるようにしてほしい」と望む。
 調査は3日に開始。被害程度に応じて「全壊」「大規模半壊」「半壊」などと判定する。当初は職員3人だけで、1週間で回れたのは約230棟だった。
 12日から調査に9人、データ処理に3人を投入し、14日までに対象の約2000棟のうち約500棟の調査を終えた。15日からは盛岡市、花巻市、矢巾町の応援職員11人も加わる予定だ。
 町は10月初めにも罹災証明書の発行を始める方針。住民にとって、公的支援は生活再建への一歩となる。
 同町岩泉の三上厚子さん(62)は自宅1階が約1.5メートル浸水し、夫と2階で寝泊まりする。「もう寒くなってきた。夫は心臓に持病があり、壊れた壁などを修理したいが年金だけでは難しい。被害調査は受けたので、早めの公的支援をお願いしたい」と求める。
 町税務出納課の菊地辰美課長は「道路状況が悪く調査が進まない地域もあるが、全体としては加速している。罹災証明書を一日も早く発行できる態勢を整える」と話した。
 久慈市は建物2241棟を調査し、12日に罹災証明書の発行を開始。宮古市も2100棟の調査を終え、10月初めに発行を始める。


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2016年09月15日木曜日


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