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<富谷市移行>現場の独り立ち支える

福祉事務所設置に向けて関係する課の職員と打ち合わせする制野さん

◎ラストスパートの舞台裏(下)県での経験生かし日々奔走

 10月10日の富谷市誕生に伴い、市には福祉事務所が設置される。宮城県富谷町は新たな施設は造らず、担当課に窓口を設け、社会福祉主事や母子自立支援員などの専門職員が業務に当たる計画だ。
 福祉事務所設置は社会福祉法に定められ、県から生活保護、児童扶養手当、障害児福祉手当などに関する事務が市に移譲される。町福祉事務所設置準備室長の制野徹さん(47)は「申請事務が主である町村と比べると、市は調査や決定まで担う。こまやかな住民サービスが提供できる半面、一層責任が重い」と話す。
 準備室長として福祉事務所設置に日々奔走する制野さんだが、実は県職員。福祉事務所設置を支援するため、富谷町などを管轄する県仙台保健福祉事務所・塩釜保健所から4月に富谷町に派遣となった。自宅のある白石市から毎日1時間かけて富谷町に通う。「県に入庁して28年。主に福祉行政でケースワーカーとして働いてきた。現場経験を生かし、市の福祉事務所の立ち上げを支えたい」
 町では市制移行の要件の一つである人口5万が視野に入った2014年から、県仙台保健福祉事務所・塩釜保健所に毎年度、若手職員を1人ずつ派遣し、県の福祉担当者の指導を受けながら市としてのケースワーカー養成に努めてきた。
 ケースワーカーは、児童福祉法、老人福祉法などといった「福祉六法」を学んだ上で、それぞれのケースで最適な支援を選択しなくてはならない。
 「生活保護一つとっても、申請を受けて調査に行くと、病気を抱えていたり、介護が必要だったりと事情が複雑なことがほとんど」と制野さん。「どこの課の担当者に話をつなぎ、住民の抱えている課題をクリアしていくか、毎回頭を悩ませる」と話す。
 10月11日の富谷市の業務開始と同時に、市の福祉行政もスタートする。14年度から研修を積んできたケースワーカーは現在3人。福祉事務所の被保護世帯80世帯につき1人が適正規模で、240世帯以下の場合は3人が標準配置。新市は対象が約80世帯のため配置人員をクリアするものの、将来を見据え、さらに増やしていく方針だ。
 制野さんは「ケースワーカーは10年でようやく一人前と言われる。始まれば待ったなしの本番。県の支援は当面続くが、職員が現場で学び、富谷市なりの福祉行政を築いていってほしい」とエールを送る。
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 10月10日に市制移行を控える宮城県富谷町内で祝賀ムードが盛り上がっている。市民歌のお披露目をはじめ住所表記変更、市役所の部局新設など、移行に向けた準備作業はまさに大詰め。新市誕生を舞台裏で支える人々に会った。(泉支局・北條哲広)


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2016年09月16日金曜日


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