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<津波訴訟>原告遺族 命を守る社会へ結束

命の大切さを語り合うネットワークのメンバー

 東日本大震災の津波犠牲者を巡る訴訟の宮城県内の原告遺族らがネットワークをつくり、悲しみや命の尊さを語り合っている。震災から5年半。命を守る社会を目指し、手を取り合う。
 石巻市の大川小と私立日和幼稚園(休園中)、宮城県女川町の七十七銀行女川支店で家族を亡くした遺族らによる「3.11ネットワーク」は11日、市内で勉強会を開いた。参加した約15人が現状や今後の見通しを話し合った。
 大川小は児童と教職員計84人が犠牲になった。児童23人の19遺族が石巻市、県と仙台地裁で争い、10月26日の判決を待つ。6年だった長男大輔君=当時(12)=を失った今野ひとみさん(46)は「最後まで子どもたちは助かりたかった。仕方がなかったで済む命は一つもない」と言う。
 日和幼稚園の園児5人が亡くなった現場の同市門脇町付近は復興事業に伴い、かさ上げ工事が進む。
 「つらいけれど大切な場所。せめて手を合わせる場所を残してほしい」と願うのは、次女春音ちゃん=当時(6)=の母親の西城江津子さん(41)。長女愛梨ちゃん=当時(6)=の母親の佐藤美香さん(41)と共に今月中にも慰霊モニュメントの設置を亀山紘市長に要望する。
 行員ら4人が死亡、8人が行方不明となった女川支店。妻祐子さん=当時(47)=の行方が分からない高松康雄さん(59)は潜水士の国家資格を持つ。「妻らの手掛かりを捜したい」と女川の海に潜り続ける。
 家族の命が奪われた地で語り部活動をする遺族もいる。「命を守る意識を高め、同じような悲劇を防いでほしい」との思いは、どの遺族らにも通じる。あの日の出来事を全国から訪れた教育関係者や企業関係者らに伝えている。
 ネットワークは2017年2月11日にフォーラムを開く。女川支店で元行員の長男健太さん=当時(25)=を亡くした田村孝行さん(55)は「思いを共有できる人たちのつながりに背中を押されている。共に歩み、安全な社会にしたい」と話す。


2016年09月16日金曜日


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