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震災機に一念発起…蒸しパン店にぎわい呼ぶ

色とりどりの蒸しパンを手にする神山さん

 東日本大震災で津波被害を受けた宮城県石巻市渡波地区に、東北では珍しい蒸しパン専門店「蒸しパン Once(ワンス)」が開店し、連日にぎわっている。周囲はいまだ更地が目立つ。店主の神山由佳さん(38)は「被災地となった地元を少しでも明るくしたい」と意気込んでいる。
 店は6月下旬にオープン。国道398号沿いに立つ。赤い屋根の洋風な造りで木造2階、床面積は約100平方メートル。カフェ風の店内には、アンティークのテーブルに色とりどりの蒸しパン18種類がきれいに並んでいる。
 蒸しパンには北海道産の小麦粉を使用。てんさい糖という天然砂糖と石巻産の塩を加え、天然酵母でもっちりとした食感に蒸し上げている。1番人気はカボチャクリームチーズだ。
 神山さんは震災時、渡波地区の幼稚園に勤務。園も自宅も全壊し、知人も多く亡くなった。「あした何が起こるか分からないと身に染みた。犠牲になった人の分まで懸命に生きなければ」と一念発起し、以前から興味があった飲食業の道へ。お菓子教室に通って腕を磨き、蒸しパンを試作し手作り市に出品するなどして出店準備を進めた。
 昔、母からおやつにと作ってもらった黒糖の蒸しパンが店の原点。「子どもからお年寄りまで、家族のように触れ合える店にしたい」と神山さん。店名の「Once(ワンス)」には、一度きりの人生を生かしたいとの願いを込めた。
 営業は午前10時半〜午後4時(売り切れ次第終了)。蒸しパンは120〜200円。日、月曜日定休。連絡先は0225(98)4183。


2016年09月16日金曜日


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