青森のニュース

観光客増の田んぼアート 経済効果いまひとつ

田舎館村役場の田んぼアート第1会場そばにある田んぼアート商店街

 青森県田舎館村を一躍、全国区にした「田んぼアート」。観光客が順調に増え続けている一方で、季節限定というアートの性質や村の高齢化もあり、地域経済への効果が期待通りに表れていない。全国に先駆けて「地域おこし」を成功した同村に、新たな変化が求められている。
 田んぼアートには昨年、第1会場(田舎館村役場)と第2会場(道の駅いなかだて)合わせて過去最多の約34万4500人が訪れた。今年はNHK大河ドラマ「真田丸」と映画「シン・ゴジラ」が題材で、8月末までに約26万800人が来場。稲刈りまでに年間40万人の来場者数を見込む。
 入場料収入も年々増えている。今年は第1会場に展望デッキを新設し、各会場で入場料を200円から300円に値上げしたこともあり、8月末までに約6900万円を得た。アートとして本格的に取り組み始めたのはモナリザを描いた2003年だが、入場料設定は12年から。収入は同年の約3500万円から右肩上がりで推移する(グラフ)。
 入場者数、収入ともに好調の田んぼアートで、課題は地域への波及効果だ。村の基幹産業は農業。観光客増加で地域経済への好影響が出やすいのは特産品などを使った土産物だが、第1会場そばに特設される「田んぼアート商店街」では入場者数の増加に比べ、売り上げが伸びていない。
 田舎館村商工会の福士勝彰事務局長(65)は「ソフトクリームなどの食べ物は売れるが、主力となるはずのお土産に独自性が欠ける。田んぼアートを見た『証拠品』として購入する人はいるが、ここでしか買えないものが少ない」と指摘。「新商品の開発が不可欠だが、田んぼアートの集客期間は約4カ月しかない。商工会員の高齢化と後継者不足の影響もあり、開発は難しい」と話す。
 観光の通年化を目指す村は昨年、4色の石を使って人物画を描く「石のアート」と雪原のキャンバスをスノーシューで踏み固めて描く「冬の田んぼアート」を始めた。特産品を利用した商品については検討中だ。
 鈴木孝雄田舎館村長は「毎年変化する田んぼアートはリピーターがつきやすい。人は集まるので、村の農業や商業にどう結びつけるかが課題。よそにないものを作りたい」と語る。


関連ページ: 青森 経済

2016年09月16日金曜日


先頭に戻る