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<台風10号>岩泉浸水住宅 消毒進まず

カビが発生した土台部分をブラシでこする久枝さん=14日、岩手県岩泉町小川

 台風10号豪雨による甚大な氾濫被害が出た岩手県岩泉町で、浸水した住宅の消毒作業がはかどらない。被災後は雨や曇りの日が多かったため、床や土台の湿気が抜けず、消毒前に必要な乾燥が進まないからだ。既にカビが発生している住宅もあり、被災者は「一刻も早くわが家をきれいにしたい」と気をもむ。
 同町小川地区の養蜂業田代昇さん(77)と妻久枝さん(70)の自宅は、近くの沢があふれて1階床上50センチまで泥水が入った。数日前、泥のかき出しをほぼ終えた際、床板や土台部分にカビが生えているのを見つけた。
 久枝さんは「床の裏側は一面青いカビだらけ。町から配られた消石灰をまいたが、土台に影響がないかどうか心配だ」と嘆く。電気と水道は復旧し、今は2階で寝起きする。25年前に増改築した家を修理して住み続けるつもりで、町の本格的な消毒作業を待つ。
 自宅1階が浸水した安家(あっか)地区の60代男性は「和室の畳は全て剥がしたが、フローリングは手付かず。床下にカビが生えていないかどうか心配だが、職人の手を借りないと確認もできない」と話す。
 岩泉町内は8、9の両日、温帯低気圧の影響で大雨となり、12、13の両日も雨だった。他にも曇りや霧で湿度が高い日が続いた。泥水や土砂に加え、連日の湿気がこもり、カビの発生や増殖につながったとみられる。
 岩手県建築士会の金田義徳専務理事は「湿った状態が続けば、当然カビが増え、木材が腐りかねない。しっかり乾燥させることが欠かせない」と指摘する。
 住民の健康に影響を及ぼす恐れもある。宮古保健所環境衛生課の佐藤徳行課長は「乾燥が進めば、今度はほこりやカビが飛散しやすくなる。マスクと手袋を着けて片付けしてほしい」と呼び掛ける。
 湿った木材を消毒しても効果が小さいため、14日までに消毒を終えたのは約30戸にとどまる。週明け以降、天候をにらみながら、床上浸水した住宅を対象に消毒作業を本格化させたい考えだ。


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2016年09月16日金曜日


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