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<中秋の名月>震災犠牲者 鎮魂の調べ

さまざまな表情の羅漢像とともに、参加者は優しい調べに聞き入った

 中秋の名月の15日夜、東日本大震災の犠牲者を追悼するコンサートが、岩手県陸前高田市の普門寺であった。鎮魂の調べが、一彫り一彫りに祈りを込めた五百羅漢の石像が並ぶ境内に響いた。
 宮古市出身のプロバイオリニスト姉妹の梅村真美さん、小松智佳子さんが、バッハの無伴奏バイオリン曲を奏でた。雲の切れ間に現れた月が、木立から時折、のぞく。訪れた約40人は美しい音色に聞き入り、ろうそくのほのかな明かりが誘う幻想的な世界に浸った。
 津波で夫を亡くした陸前高田市の菅野登美子さん(66)は「お父さんもそばで聞いていると思う。思い出すのがつらく、まだ写真も見られない」と声を詰まらせた。
 演奏会は2013年に同寺を訪れた広島県呉市のみかん農家梶岡秀さん(69)が企画し、今年で2回目。資金は、賛同者に自ら育てたみかんを提供して集めた。10年間は続ける予定で、バッハの無伴奏のバイオリンとチェロの全12曲を毎年1〜2曲ずつ演奏する。


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2016年09月17日土曜日


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