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<高配当疑惑>被害者60人 主要勧誘者提訴へ

「しあわせ共済リンクル」の事務局が入居する東京都江東区のビル=2016年5月

 自称共済団体「しあわせ共済リンクル」(東京)に預けた多額の現金が回収不能になっている問題で、被害対策仙台弁護団(仙台市)が、中心人物とされる南相馬市の50代男性ら数人に損害賠償を求め、仙台地裁に集団提訴する方針を固めたことが19日、分かった。一連の問題を巡る集団提訴は初めて。被害額は少なくとも約17億円に上り、被害者は宮城、福島両県に集中している。
 弁護団は関東を含む全国の被害者約160人から依頼を受任。回収見込みが高い約60人を原告とし、請求額は6億円程度とみられる。10月中にも提訴する。
 関係者によると、リンクルは約20年前に出資者の募集を始めた。「共済預金」などと称して毎月2%の高配当を約束し、宮城、福島両県を中心に口コミで拡大した。事務局長だった男性=当時(60)=が今年5月6日、東京都内で自殺していたことが発覚して以降、配当や元金返還が滞り、問題が表面化した。
 リンクルは勧誘時、高配当を生み出す仕組みとして「多額の現金を銀行に預けると、団体信用生命保険の代理店手数料がもらえる」などと説明。弁護団のこれまでの調査で裏付けは取れず、新規加入者の出資金を先に契約した人への配当に回す自転車操業に陥っていた可能性が高い。
 賠償を求められる南相馬市の男性は、自殺した事務局長と共にリンクルの運営母体となる会社を経営し、積極的に勧誘してきたとされる。
 河北新報社のこれまでの取材に、男性は、自身が展開するネットワークビジネスの会員ら約30人に「金をつくる方法がある」とリンクルを紹介したと主張。出資者は約300人に広がったが、「積極的な勧誘はしていない」と責任を否定していた。全体の被害総額は「50億〜60億円」との認識も示していた。
 勧誘は東京電力福島第1原発事故後、福島県で活発化した。東電が被災者に支払った賠償金目当てだった可能性があり、仙台弁護団は「被災者の生活再建資金を根こそぎ奪った。回収に全力を挙げる」と話す。


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2016年09月20日火曜日


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